相川考古館の正門
伊勢崎市街地の西町通りに、江戸時代から続く建物があります。伊勢崎城下で町役人を務めた相川氏の旧宅です。現在は、相川之賀が収集した考古資料を収蔵する博物館として公開。瓦葺の正門をくぐれば、群馬県の古代から近代までの豊かな歴史の世界が広がります。
ほぺたん、相川考古館へ!
中でも目を惹くのは、素朴で愛らしい表情の埴輪たち。琴を弾く埴輪、リボンやベルトの装飾がおしゃれな埴輪など、重要文化財の埴輪が4点※も収蔵されているのです。
「埴輪は文字が広まる前の時代につくられ、古代人の暮らしを知る貴重な手がかりです」と解説してくれたのは、館長の相川裕保さん。国宝・重要文化財に指定される埴輪の4割が群馬県で出土し、とくに伊勢崎市は、重文指定埴輪の出土数が地域別で全国1位を誇るそう。その発見と保存に大きく貢献したのが相川之賀です。
江戸時代末期の伊勢崎町(現・伊勢崎市三光町)に生まれた之賀は、19歳で単身渡米。先住民のカナダインディアンの文化に魅せられ、白人の迫害により消えゆく彼らの文化を残そうと、お面や彫刻などの文化財を集めて日本に送りました。
帰国後は郷里の文化財を調査収集し、郷里の歴史文化を伝える博物館の設立を目指します。之賀の遺志を継いだ長女が、之賀の自宅に博物館を開館したのは昭和25年のこと。現在は孫やひ孫の世代がその志を受け継ぎ、館を運営しています。
重要文化財の埴輪を展示
館内では展示品の他、江戸時代建造の茶室や母屋、稲荷社も見学でき、スタッフによる歴史解説も人気。「先人がのこした大切な文化にふれ、郷里の誇りを感じていただけたら。茶室で抹茶を一服しがてら、遊びにいらしてください」(相川館長)。
群馬県最古の茶室
続いてほぺたんは、「お富士山古墳」へ!古墳の頂にある「長持形石棺」は必見。王家につかわれる格調高い棺で、東日本では稀少です。春、古墳が桜に包まれる頃に訪れてみませんか?
お富士山古墳
長持形石棺
外国人が多く暮らす多国籍タウン、伊勢崎。ランチは日系ペルー人親子が営むペルー料理店へ。人気メニューのペルー風牛肉野菜炒めは、ボリューム満点ながらスルスルと食べられるおいしさ。「当店名物のペルー風ローストチキンもぜひ。ペルーの味を日本に伝えたいです」(店長のアキノリさん)
ペルー料理 EL KERO(エルケーロ)
住所…伊勢崎市若葉町4-16
TEL…0270-21-0978
営業時間…11時45分~20時
定休日…水曜、第一火曜