るっく&WALK

NO.261 伊勢崎市「相川考古館」(2025年3月号)

相川考古館の正門の写真

相川考古館の正門

るっく&WALK in 伊勢崎市

郷土の歴史にふれる「相川考古館」

伊勢崎市街地の西町通りに、江戸時代から続く建物があります。伊勢崎城下で町役人を務めた相川氏の旧宅です。現在は、相川あいかわ之賀しがが収集した考古資料を収蔵する博物館として公開。瓦葺の正門をくぐれば、群馬県の古代から近代までの豊かな歴史の世界が広がります。

ほぺたんの写真

ほぺたん、相川考古館へ!

中でも目を惹くのは、素朴で愛らしい表情の埴輪たち。琴を弾く埴輪、リボンやベルトの装飾がおしゃれな埴輪など、重要文化財の埴輪が4点も収蔵されているのです。
「埴輪は文字が広まる前の時代につくられ、古代人の暮らしを知る貴重な手がかりです」と解説してくれたのは、館長の相川あいかわ裕保ひろやすさん。国宝・重要文化財に指定される埴輪の4割が群馬県で出土し、とくに伊勢崎市は、重文指定埴輪の出土数が地域別で全国1位を誇るそう。その発見と保存に大きく貢献したのが相川之賀です。

江戸時代末期の伊勢崎町(現・伊勢崎市三光町)に生まれた之賀は、19歳で単身渡米。先住民のカナダインディアンの文化に魅せられ、白人の迫害により消えゆく彼らの文化を残そうと、お面や彫刻などの文化財を集めて日本に送りました。
帰国後は郷里の文化財を調査収集し、郷里の歴史文化を伝える博物館の設立を目指します。之賀の遺志を継いだ長女が、之賀の自宅に博物館を開館したのは昭和25年のこと。現在は孫やひ孫の世代がその志を受け継ぎ、館を運営しています。

  • 「埴輪武装男子立像」は2025年5月まで貸し出し中
重要文化財の埴輪の写真

重要文化財の埴輪を展示

館内では展示品の他、江戸時代建造の茶室や母屋、稲荷社も見学でき、スタッフによる歴史解説も人気。「先人がのこした大切な文化にふれ、郷里の誇りを感じていただけたら。茶室で抹茶を一服しがてら、遊びにいらしてください」(相川館長)。

茶室の写真

群馬県最古の茶室

続いてほぺたんは、「お富士山古墳」へ!古墳の頂にある「長持形石棺ながもちがたせっかん」は必見。王家につかわれる格調高い棺で、東日本では稀少です。春、古墳が桜に包まれる頃に訪れてみませんか?

お富士山古墳の写真

お富士山古墳

長持形石棺の写真

長持形石棺

編集だより

外国人が多く暮らす多国籍タウン、伊勢崎。ランチは日系ペルー人親子が営むペルー料理店へ。人気メニューのペルー風牛肉野菜炒めは、ボリューム満点ながらスルスルと食べられるおいしさ。「当店名物のペルー風ローストチキンもぜひ。ペルーの味を日本に伝えたいです」(店長のアキノリさん)

料理の写真

ペルー料理 EL KERO(エルケーロ)
住所…伊勢崎市若葉町4-16
TEL…0270-21-0978
営業時間…11時45分~20時
定休日…水曜、第一火曜

  • 掲載した店舗・施設は、定休日以外に臨時休業となる場合もあるので、ご了承ください。
  • 一部取材先より画像をお借りしています。
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