許諾第05-010901号
片品渓谷を歩こう!
群馬県にかかわる歴史上の人物や産業、文化などを詠みこんだ「上毛かるた」。札のなかには、美しい自然の風景を讃えたものもあります。「滝は吹割 片品渓谷」という札もそのひとつ。絵札には、水しぶきをあげて勢いよく流れ落ちる滝が描かれています。
「本物の滝を見てみたい!」と思ったほぺたんは、沼田市利根町にある片品渓谷へやってきました。片品渓谷は、尾瀬沼の近くから流れる片品川の中流部にあります。その魅力といえば、清らかな水の流れとともに、不思議な形をした奇岩や滝が織りなす自然美。かつて火山から吹き出した火砕流が固まって岩盤となり、さらに長い年月をかけて川の流れに削られたことで、独特の景観が生み出されました。
青空と深緑に映える夏の「吹割の滝」
美しい渓谷のなかでもひときわ異彩を放つ吹割の滝は、まるで巨大な岩が吹き割れたかのように見えることから、その名前がつけられました。高さ7メートル、幅30メートルにおよび、「東洋のナイアガラ」と称されることもあります。ごうごうと音を立てながら川底に流れ落ちる水。ほぺたんは、目の前で見る滝の迫力に圧倒されてしまいました。
吹割の滝の周囲には、景色をゆっくりと楽しむことができる遊歩道がつくられています。吹割の滝から上流へ向かって歩いていったほぺたんは、「千畳敷」と呼ばれる川幅100メートルにも及ぶ浅瀬へたどり着きました。その奥には、片品川の侵食から削り残されたといわれる「浮島」が、川の中央にぽっかりとたたずんでいます。浮島に建つ「浮島観音堂」は、昔から多くの旅人に親しまれてきたのだとか。春と秋の年2回、お祭りも行われています。
浮島観音堂
ほぺたんは橋を渡り、片品川の反対側へ。俳句が刻まれた石碑が並ぶ「詩(うた)のこみち」を歩いていると、鳥のさえずりが心地よく聞こえてきました。さらに、遊歩道にある観瀑台からは、吹割の滝の全景を眺めることができます。上から見る片品渓谷の景色もおすすめです。
このほか、片品渓谷には、吹割の滝の下流にも、「般若岩」「獅子岩」と呼ばれる奇岩や「鱒飛の滝」など、見どころがたくさんあります。鱒飛の滝の幅は6メートルと小さいものの、吹割の滝を流れ落ちてきた水が一気に注ぎこみ、とても勢いが感じられます。
観瀑台からの眺め
般若岩
春から夏にかけて緑でいっぱいの片品渓谷は、秋は紅葉で彩られ、四季折々の表情を見せます。渓谷美を愛でながら散策を楽しんでみませんか?
片品渓谷を散策した取材班は、おみやげを探しに「伽羅苑」に立ち寄りました。店内には、沼田産りんごを使った手づくりのアップルパイからこだわりのお菓子、新鮮野菜まで、さまざまなおみやげが並びます。ボリュームたっぷりのソースカツ丼や自家製うどんなどお食事もできるので、散策のあとの休憩にもおすすめです!
住所…沼田市利根町追貝976
営業時間…8時半~17時
休業日…年中無休
TEL 027-856-3711
■次回は大泉町をご紹介します。