高さ129m、堤頂長605mを誇る下久保ダム
2000m級の山岳、尾瀬の湿原、利根の清流といった大自然に加え、農産物から自動車、伝統工芸品まで、さまざまな産業が発達する群馬。「日本一」や「日本初」とたたえられる名所や名産品が数多くあります。
群馬が誇る日本一のスポットを見てみたい!ほぺたんは、群馬と埼玉との県境に位置する下久保ダムを訪ねました。下久保ダムは全国でも数少ないL字型のダム。提頂の長さは605mにおよび、日本最長のコンクリートダムです。この独特な形と日本一の長さには、どんな理由があるのでしょうか?
群馬の日本一を探そう!
ほぺたんは、その答えを下久保ダム管理所1階の「神流川と三波石峡の資料館」で見つけました。展示によると、下久保ダムができたのは今からちょうど50年前のこと。1960年代、首都圏は深刻な水不足に悩まされており、少しでも多くの水を貯めるため、L字型という独特な形が採用されたそうです。尾根をコンクリートでかさ上げしてL字型にすることで、直線型で川をせき止める方法の約10倍、1億3000万平方メートルもの水が貯められるようになったのだとか。下久保ダムはこの貯水能力を生かし、都市用水の供給だけでなく、畑や田んぼへ安定的に水を送ったり、放流する水の量を調節して水害を防いだり、発電したり、さまざまな役割を果たしています。
下久保ダム管理所
神流川や三波石峡の歴史も紹介
資料館を見学したほぺたんは、展望台から景色を満喫。そして、下久保ダムの堤体へと向かいました。堤体の上には道路があり、歩いて渡ることもできます。
日本一の長さを歩いて実感!
堤体の角に建つ石碑
下久保ダムのすぐ下には、2つの発電所があります。発電所側から見上げる下久保ダムは迫力満点。特に点検放流(毎年6月末頃)にはたくさんの人が訪れるそうです。
また、ダム下流の「三波石峡」では、10月後半になると紅葉が色づきはじめます。初冬には、桜山公園(藤岡市)や城峯公園(神川町)の冬桜が花を咲かせます。花より団子という方には、「道の駅上州おにし」の「ダムカレー」がおすすめ。下久保ダムや周辺の景色をお皿の上で楽しめます。
点検放流にあわせてイベントを開催
「るっく&WALK」では前号まで『上毛かるた』を紹介していましたが、下久保ダムが絵札に描かれているのはご存じでしょうか。実は、「理想の電化に電源群馬」の絵札のモデルは、建設中だった下久保ダムなのです。このほか、下久保ダムは『ダムかるた』(税抜2,100円)にも登場。下久保ダム管理所のホームページ※では、50周年記念でつくられた『下久保ダムかるた』も公開されています。ぜひ遊んでみてください!