るっく&WALK

NO.226 藤岡市「八塩温泉」(2021年9月号)

八塩館の大浴場「三波石」の写真

八塩館の大浴場「三波石」(男湯)

るっく&WALK in 藤岡市

太古の海水が湧く八塩温泉「八塩館」

美しい岩々と清流がおりなす名勝「三波石峡」のほど近く、神流川のほとりにある八塩温泉。そこには古くから、まるで海水のように塩辛い冷鉱泉が湧き出ています。その正体は、地中に閉じこめられた200万年以上昔の海水が湧き出たもの。かつては源泉が8カ所あり、「八つの塩の湯口」があることから「八塩」と呼ばれるようになったとか。今は3軒の温泉旅館が営業しています。

源泉の写真

八塩温泉の源泉

ほぺたんがやって来たのは、創業明治20年、八塩温泉で最も歴史が長い「八塩館」。さっそく大浴場へ行ってみると、緑に囲まれた開放感いっぱいの空間に、三波石がふんだんに使われた見事な岩風呂がありました。岩の割れ目から流れ落ちる滝の音、白い湯煙に包まれながら湯につかると、山で滝に打たれている心地になります。

無色透明の湯は、ナトリウムイオンが1kg 中9g、塩素イオンが1kg 中12gも含まれた、塩分の強い泉質です。「戦時中はこの源泉を利用して製塩もしていたそうで、先々代がつくった塩が今も残っていますよ。海なし県、群馬でできた海塩です(笑)」と、八塩館の堀口寛さんが当時つくられた塩を見せてくれました。

八塩館のほぺたんの写真

ほぺたん、八塩館へ!

八塩館の写真

山間にある八塩館

ゴルフや釣り、秩父・長瀞観光の拠点として人気がある八塩温泉。春は桜、初夏はあじさい、秋から冬は冬桜に彩られる花の里としても親しまれています。「小さな温泉地ならでは、のどかな環境で、どうぞのんびり、ゆったりお過ごしくださいね」(堀口さん)。

とっちゃなげ汁の写真

宿名物、鬼石の郷土料理「とっちゃなげ汁」

ポカポカになったほぺたんは、八塩館のわきにある「あじさいの里」へ!6月から7月は5000株のあじさいが咲くほか、七福神に福鬼神を加えた「八福神めぐり」ができ、気持ちいい滝もあります。

ほぺたんは、水がきれいな沢沿いの遊歩道をてくてく。植物や鳥を観察しながら、愛らしい姿の神様をめぐっていけば「大黒滝」に到着です。秋は紅葉見物もおすすめですよ。

大黒滝の写真

あじさいの里「大黒滝」

編集だより

茶屋カタチの写真

「あじさいの里」を散策中、古民家をリノベーションしたギャラリーカフェに寄り道。カフェを営むのは、美術批評をされている嘉達さん、美術家の渡さんご夫妻。渡さんの現代アートがさりげなくしつらえられた心地良い和の空間で、夫妻手づくりの無添加スイーツ、地元野菜メインのお料理をいただけます。静かな時間を過ごしたいときにどうぞ。

芸術・茶屋カタチ
場所…藤岡市鬼石1015-2
営業時間…午前9時から日暮れまで
営業日…土日(平日も予約可)
TEL…080-3315-1765
HP…https://katachino.exblog.jp/
予約優先(予約の時間は貸切)

地図
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  • 一部取材先より画像をお借りしています。