るっく＆WALK

NO.229 藤岡市「猪ノ田温泉」（2022年1月号）

久恵屋旅館の大風呂

とろんとした湯に包まれる猪ノ田温泉「久恵屋旅館」

今回ほぺたんがやって来たのは、藤岡市の静かな山間にある一軒宿。澄んだ山の空気に、硫黄のにおいがほんのりと漂います。
猪ノ田温泉は、猪田川の川辺に古くから湧く鉱泉です。明治初期、皮膚にとりわけよく効くという評判が広がると、東京からも多くの湯客が訪れて大繁盛。ところが戦後、そのにぎわいは急速に衰えていき、昭和40年代には残っていた宿も廃業してしまいます。

久恵屋旅館入口

月日が経ち、山の中に効能豊かな湯が湧いていると聞きつけたのが、久恵屋旅館の先代です。藤岡市で牛乳屋を営んでいましたが、猪ノ田の湯に惚れこみ、復活させたいと奔走。10年の歳月をかけて、昭和58年に久恵屋旅館を開業しました。
かつて、ゆで卵のようなにおいがするので「卵湯」とよばれた湯。今は「絹の湯」として親しまれ、2021温泉宿・ホテル総選挙「うる肌部門」関東1位、全国6位を獲得するなど人気の湯となっています。

ライトアップした庭

「まさに絹をまとうようなとろみがあって、化粧水のようだとおっしゃるお客様もいます。一度、浸かってみていただければわかりますよ」と若女将さん。ほぺたんは、絹の湯にちゃぽん！なめらかな湯に体が包みこまれ、あがる頃には肌がつるつるになっていました。
「仕事のストレスでアトピーになったお客様が、この湯に救われたと仰ってくださったこともあります。これからもこの素晴らしい自然の恵みで、より多くの方に喜んでいただきたいです」（若女将さん）。