るっく＆WALK

NO.218 みどり市「鉱泉旅館『神梅館』」（2020年11月号）

大正11年創業の「神梅館」。1日2組限定

山間の古民家宿「神梅館」

わたらせ渓谷鐡道上神梅駅のほど近くに、もうすぐ百歳を迎える鉱泉旅館「神梅館(かんばいかん)」があります。

病に伏した村の和尚が「角地蔵尊」のお告げの通り、渡良瀬渓谷沿いの田んぼに湧く湯に浸かると、たちまち回復――。そんな言い伝えが残る、カルシウム豊富な鉱泉が敷地に湧いています。とりわけ痔によく効き、手術しないと治らないと言われていた人が一か月通って完治したこともあるそう。ありがたい霊泉に、ほぺたんも、ちゃぽん！

檜造りのお風呂棟

戦前、上神梅は足尾銅山の銅を運ぶ「銅(あかがね)街道」が通り、おおいに栄えていました。宿にはテニスコートや相撲部屋もあり、足尾銅山で働く人たちにも利用され、賑わっていたそう。時が移り変わり、神梅館は今、山間のアットホームな古民家宿として親しまれています。

館内の様子

木造二階建ての母屋は大正時代に建てられたもの。大正・昭和期に使われていた電話や蓄音機が今も残り、レトロな雰囲気を楽しめます。ご主人と女将さんが腕をふるう田舎料理も大人気。地野菜たっぷりのおっきりこみや、先代から継ぐ玉子焼きサンドセットなど、名物料理がたくさんあります。

玉子焼きサンドセット（コーヒー付）

そんな宿を継ぐのは、五代目の宏佳(ひろか)さん。ヨガインストラクターとしても活躍し、今秋、館内や自然の中でヨガを体験できるヨガプランをスタートしました。「さまざまなアクティビティを楽しめる宿にしていきたい」（宏佳さん）と、今後がますます楽しみな古民家宿。みなさんもぜひ、訪ねてみてください！

塔ノ沢不動滝で滝ヨガ体験

神梅館に泊まった翌日は「わたらせ渓谷鐡道の旅」を楽しみませんか？
渡良瀬渓谷沿いを走る列車からの眺望は一見の価値あり！窓にガラスのないオープンタイプ（冬季はガラス付き）のトロッコ列車もあり、気持ちいい風に吹かれながら、手が届きそうなほど間近に渓谷美を満喫できます。秋冬は紅葉、雪景色のほか、イルミネーションや、車内で本格料理を楽しめる「冬の料理列車」などイベントも満載です。