総ヒバの半露天風呂
北に古城台、岩井堂とよばれる二つの山が連なり、南に吾妻川の清流が流れる小野上温泉。浸かるなり肌がつるつるになる「美人の湯」と評判高く、地元民から温泉愛好家まで多くの人々に愛されています。
この地には古来、傷によく効くという塩川鉱泉が湧き、昭和初期まで村人が利用してきました。その後、旧小野上村が村おこしのために掘削を行ったところ、昭和53年に温泉が見つかり、「小野上村温泉センター」を開設。県内における日帰り温泉施設の先駆けとあって、地元民だけでなく村外からも多くの人が訪れ、大盛況となります。のちに新たに掘削を進めると、これが成功して湯が増量。周辺の旅館民宿にも湯が分けられ、温泉地として発展していきました。
温泉旅館 㐂久村
そんな小野上温泉にある「㐂久村」は創業14年、地元の建築会社が元民宿を改装した温泉旅館。源泉かけ流しの湯を貸切りで堪能することができます。女将をつとめるのは、建築士でもある室橋薫さん。「効能豊かな湯で健やかになる、そのお手伝いをできれば」と、空間づくりや食事にも気を配ります。
薫さんが手がけた館内は、自然の風合い豊かな塗り壁や天然木、日本画家の作品である美しい襖絵に囲まれた、心安らぐ和の空間。食事は朝晩、体にやさしく滋養のある和食が供されるなど、心身をリセットできる宿です
内湯(岩風呂)
小野上生まれの薫さんは、子どもの頃、小野上村温泉センターにおばあちゃんと通っていたそうです。その思い出の場所は今、「小野上温泉 ハタの湯」として営業し、薫さんたちが運営を担っています。ふるさとの湯を守り継いでいきたいとの想いからです。 「小野上は山と川、星がきれいなところ。自然にふれ、豊かな時間を過ごしていただけたらうれしいです」(薫さん)。
「小野上温泉 ハタの湯」内の飲泉所
温泉で肌がつるつるになったほぺたん。次に訪ねたのは、川向こうにある箱島湧水です。樹齢4,500年の大杉の根元近くから、日に3万トンもの水が溢れ出るように湧き、澄んだ水と空気に心が洗われるよう。水を汲んで持ち帰ることもできます
箱島湧水
周辺を取材中に見つけた雑貨屋さん。木々に埋もれるようにしてある洋館に、群馬の作家の作品や手工芸品、和雑貨が並んでいます。手芸好きの店主による「簡単洋服づくり教室(要予約)」も開催し、外観からは想像できない眺望のドリンクコーナーで一息つくのもおすすめ。
うた種
住所…吾妻郡中之条町市城1514
営業時間…10時~16時30分、日曜・祝日 11時~16時
※変更あり。要確認
定休…火曜・水曜
TEL…0279-25-8804