源泉100%かけ流しの露天風呂
発展が進む八ッ場ダムエリアから車で約10分、静かな山間にある川中温泉。和歌山県の龍神温泉、島根県の湯の川温泉とならんで「日本三美人の湯」として知られています。そうよばれるようになったのは、大正時代、鉄道院から発行された「温泉案内」に肌を白くする湯として紹介されたのがきっかけだとか。ぬるめの湯で長湯ができるため、美白や保湿などの効能を得やすく、湯上がりは肌がしっとり、すべすべになります。
ほぺたん、川中温泉へ!
川中温泉はその名の通り、宿の前を流れる川の底から湧いています。中世前から土地の人たちに利用されてきたと伝えられ、大水で流されては村人が復興することを繰り返しながら守られてきました。明治大正期は湯治場として栄えますが、昭和10年の大水害で宿がすべて流出。昭和22年、地域のためにと再建されたのが「かど半旅館」です。
かど半旅館の外観
「何百年にもわたって湯が守られてきたのは、人々にとって必要なものだったから。医療がない時代、昔の人たちにとって温泉が病院だったの。この宿にも30年くらい前までは、アトピーや傷跡を治しに訪れる人がたくさんいましたよ」と、おかみさん。薬で治すことが当たり前になった今も、心と体を癒しに訪れる人たちのため、かど半旅館は湯を守り続けています。
ほぺたんはいざ、露天風呂へ!目の前の川から引き入れている湯は、いつまでも浸かっていたくなるようなやわらかさです。「どうぞ浸かりたいだけ浸かって、健康のために温泉を役立ててくださいね」(おかみさん)。
「大湯」
肌がすべすべになったほぺたん。次に向かったのは2021年春にオープンした「やんば天明泥流ミュージアム」です。館内には八ッ場ダム建設にともない行われた発掘調査の成果が展示され、中でも必見は「天明泥流体感シアター」。江戸時代の天明3年8月、浅間山大噴火により発生した「天明泥流」が八ッ場の村々をのみこんだ様子をCGなどで再現しています。江戸後期の暮らしぶりも描かれ、当時の生活文化と自然災害を体感しながら学べますよ。
「天明泥流体感シアター」
取材帰りに寄り道した和菓子屋さん。100年以上続く老舗で、ショーケースに季節の生菓子、おまんじゅう、おやきなどがずらり。パンも毎朝20種類焼いているそう。「お客さんが飽きないようにといろいろつくるうちに、種類が増えました(笑)」と奥さん。一番人気は、さくさくの生地に自家製あんを包んだ「かりんと饅頭」。お土産にどうぞ!
金加屋(かねかや)
住所…吾妻郡東吾妻町矢倉551
営業時間…9時30分~19時
定休日…日曜
TEL…0279-67-2105