るっく&WALK

NO.196 上毛かるた「き」の札(2018年9月号)

き:桐生は日本の 機(はた)どころ

許諾第05-010901号

るっく&WALK in 桐生市

千年以上も続く織物の文化

桐生の織物の歴史は、1300年ほど前までさかのぼります。奈良時代に絹を朝廷に献上したという記録が残されており、古くから織物が盛んであったことがうかがわれます。

鎌倉時代には、新田義貞が鎌倉幕府を倒すため兵を挙げた際、桐生で織った生地を使って旗がつくられたと伝えられています。また、1600年の関ヶ原の戦いでも、徳川家康によって桐生の白絹の旗が用いられました。

手織機の写真

日本最大の手織機をはじめ1200点もの資料を展示する『織物参考館「紫」』

江戸時代になって、精巧な西陣織の技術が京都から伝わり、桐生織はさらに発展を遂げ、「西の西陣、東の桐生」といわれました。

その後、明治時代から海外へ輸出されるようになり、織物工場の数が増加。ノコギリの歯のようにギザギザした屋根の工場があちこちで見られるようになりました。

上毛かるたの絵札に描かれた機織りをする女性。この姿は、製糸や織物の技術を京都から桐生へ初めて伝えた白瀧姫(しらたきひめ)のイメージを描いたものといわれています。そこで、桐生へやって来たほぺたんは、まず「白瀧神社」を訪ねました。その名のとおり白瀧姫をまつる神社の境内で、ほぺたんは大きな岩を発見。これは「降臨石(こうりんせき)」と呼ばれており、耳をあてると機音が聞こえたと言い伝えられています。

白瀧姫をまつる「白瀧神社」の写真

白瀧神社

「降臨石(こうりんせき)」とほぺたんの写真

岩から機音が聞こえる!?

次に向かったのは「桐生織物記念館」です。趣のある建物は、かつて桐生織物同業組合の事務所として使われていました。現在、その2階では、復元された新田義貞の軍旗をはじめ、着物やドレス、昔の手織機など、桐生織に関する資料が数多く展示されています。多種多様な桐生織のデザイン。桐生織には7つの技法があり、織り方によってさまざまな模様や風合いを生み出せるそうです。

桐生織物記念館の写真

桐生織物記念館

桐生織物記念館の1階で桐生の織物製品を販売しているお店の写真

1階では桐生の織物製品を販売

最後にほぺたんはノコギリ屋根の『織物参考館「紫(ゆかり)」』へ。館内には穏やかな光がさしこみ、日中は照明がいらないほど。これは、屋根の形を生かし、北向きに天窓がつくられているからなのだとか。工場に多く見られるノコギリ屋根は、十分な明るさを得ると同時に、織物を直射日光から守る工夫なのだそうです。

ノコギリ屋根の『織物参考館「紫(ゆかり)」』の写真

織物参考館「紫」

紫では、昔の道具に加え、コンピュータ制御の織機で製品がつくられる様子を見学できます。手織りや染色の体験にも挑戦して、歴史ある文化に触れてみませんか?

編集だより

ノコギリ屋根が印象的な老舗洋菓子店「パティスリーウチヤマ」の写真と看板商品の「シュークリーム」の写真

ノコギリ屋根が印象的な老舗洋菓子店「パティスリーウチヤマ」。数あるケーキの中でも、なめらかなクリームがたっぷり包まれたシュークリームは看板商品として長年愛されています。洋酒が豊かに香るブランデーケーキは特別な日に食べたいおやつ。大人を魅了する贅沢な味わいは、敬老の日にもおすすめです。

パティスリーウチヤマ

住所…桐生市東5-4-31
営業時間…10時~19時
定休日…火曜、第4月曜
TEL…0277-43-6852

  • ※シュークリーム240円、生クリームシュー291円、ブランデーケーキ1,836円~(すべて税込)

地図
  • 掲載した店舗・施設は、定休日以外に臨時休業となる場合もあるので、ご了承ください。
  • 一部取材先より画像をお借りしています。

今号をもって「上毛かるた」44枚の札をすべて紹介することができました。
次号から3月号までは、「群馬の日本一」を掲載します。
10月号は、「下久保ダム」をご紹介します。