るっく&WALK

NO.192 上毛かるた「ゆ」の札(2018年4月号)

ゆ:ゆかりは古し 貫前神社

許諾第05-010901号

るっく&WALK in 館林市

伝え継がれる信仰と文化

群馬県の南西部、富岡市に位置する「一之宮貫前神社(いちのみやぬきさきじんじゃ)」。上毛かるたで「ゆかりは古し 貫前神社」と詠まれるように、その歴史ははるか昔、1500年ほど前までさかのぼります。

言い伝えによると、有力豪族であった物部氏が氏神の「経津主神(ふつぬしのかみ)」を祀ったことに始まり、「上野国一之宮※(こうずけのくにいちのみや)」として古代日本の朝廷にも知られる存在だったのだとか。もう一人の祭神、「姫大神(ひめおおかみ)」は、養蚕と機織りの神といわれ、地域の信仰を集めてきました。

貫前神社の写真

楼門をはじめ、拝殿、本殿が国の重要文化財に指定されている

貫前神社では、古くから伝わる儀式が今も数多く残されています。12年ごとの式年遷宮をはじめ、鹿の骨に生じたひび割れによって吉凶を占う「鹿占神事(しかうらしんじ)」(12月8日)など、年間で76もの祭儀がおこなわれています。

貫前神社を目指して富岡市へやってきたほぺたん。桜が立ち並ぶ坂道を登り、鳥居をくぐって総門へと進みます。すると、総門の先にあらわれたのは、社殿へと続く下りの階段。参道を上った位置に社殿があるのが一般的な神社の造りですが、貫前神社の社殿は総門より低い位置にあるのが特徴です。

貫前神社へつづく桜並木の写真

満開の桜を抜けて貫前神社へ

貫前神社へやってきたほぺたんの写真

千余年の歴史持つ貫前神社を参拝

階段を下りていくと、鮮やかな朱色の楼門があり、その奥に拝殿、本殿が建っています。現在の社殿は、3代将軍徳川家光の命によってつくられ、5代将軍綱吉が大規模な改修をしたもの。本殿の外観は一階建てのように見えますが、内部が二階建てになっている独特の造りをしており、これは「貫前造」と呼ばれているそうです。

たぬき尽くしの茂林寺へやって来たほぺたんの写真

全国的にも珍しい「下り参道」

極彩色の華麗な装飾を眺めながら、ほぺたんは社殿をぐるりと一周しました。社殿の裏には樹齢1000年を超える御神木が立ち、木々に囲まれた境内は荘厳な空気が漂います。

鮮やかな漆塗りの拝殿の写真

鮮やかな漆塗りの拝殿

ほぺたんは最後に、境内の東側にある宝物館へ向かいました。貫前神社では約400点の宝物を所蔵。そのうち167点は奈良時代以降に奉納された鏡なのだとか。最も有名なのは「白銅月宮鑑(はくどうげっくうかん)」と呼ばれる鏡で、中国で唐の時代につくられ、徳川家光の乳母によって奉納されたと伝えられています。

このほか、宝物館では、神事に使用する用具や神楽面、武具などが展示されており、貫前神社の歴史、伝え継がれてきた信仰や文化を垣間見ることができます。

白銅月宮鑑の写真

白銅月宮鑑

  • ※「一之宮」とは、地域の中で最も格式が高いとされる神社のこと

編集だより

「もり陣」の外観写真と「まゆ玉うどん」の写真

貫前神社から徒歩10分ほどの場所にある「茶フェ ちゃきち」。日本茶専門店が営むカフェの自家製ジェラートは、抹茶だけで6種類!さらに玄米茶、ほうじ茶、玉露、季節限定の味がそろいます。このほか、メニューは本格的な抹茶からパフェ、あんみつ、クレープまで。のんびりと過ごしたいときにおすすめです!

茶フェ ちゃきち

住所…富岡市一ノ宮264
営業時間…11時~18時
定休日…月曜(祝日の場合は翌日)
TEL…0274-63-4017

地図
  • 掲載した店舗・施設は、定休日以外に臨時休業となる場合もあるので、ご了承ください。
  • 一部取材先より画像をお借りしています。

■次回は上毛かるた「く」の札をご紹介します。