許諾第05-010901号
群馬県の南西部、富岡市に位置する「一之宮貫前神社(いちのみやぬきさきじんじゃ)」。上毛かるたで「ゆかりは古し 貫前神社」と詠まれるように、その歴史ははるか昔、1500年ほど前までさかのぼります。
言い伝えによると、有力豪族であった物部氏が氏神の「経津主神(ふつぬしのかみ)」を祀ったことに始まり、「上野国一之宮※(こうずけのくにいちのみや)」として古代日本の朝廷にも知られる存在だったのだとか。もう一人の祭神、「姫大神(ひめおおかみ)」は、養蚕と機織りの神といわれ、地域の信仰を集めてきました。
楼門をはじめ、拝殿、本殿が国の重要文化財に指定されている
貫前神社では、古くから伝わる儀式が今も数多く残されています。12年ごとの式年遷宮をはじめ、鹿の骨に生じたひび割れによって吉凶を占う「鹿占神事(しかうらしんじ)」(12月8日)など、年間で76もの祭儀がおこなわれています。
貫前神社を目指して富岡市へやってきたほぺたん。桜が立ち並ぶ坂道を登り、鳥居をくぐって総門へと進みます。すると、総門の先にあらわれたのは、社殿へと続く下りの階段。参道を上った位置に社殿があるのが一般的な神社の造りですが、貫前神社の社殿は総門より低い位置にあるのが特徴です。
満開の桜を抜けて貫前神社へ
千余年の歴史持つ貫前神社を参拝
階段を下りていくと、鮮やかな朱色の楼門があり、その奥に拝殿、本殿が建っています。現在の社殿は、3代将軍徳川家光の命によってつくられ、5代将軍綱吉が大規模な改修をしたもの。本殿の外観は一階建てのように見えますが、内部が二階建てになっている独特の造りをしており、これは「貫前造」と呼ばれているそうです。
全国的にも珍しい「下り参道」
極彩色の華麗な装飾を眺めながら、ほぺたんは社殿をぐるりと一周しました。社殿の裏には樹齢1000年を超える御神木が立ち、木々に囲まれた境内は荘厳な空気が漂います。
鮮やかな漆塗りの拝殿
ほぺたんは最後に、境内の東側にある宝物館へ向かいました。貫前神社では約400点の宝物を所蔵。そのうち167点は奈良時代以降に奉納された鏡なのだとか。最も有名なのは「白銅月宮鑑(はくどうげっくうかん)」と呼ばれる鏡で、中国で唐の時代につくられ、徳川家光の乳母によって奉納されたと伝えられています。
このほか、宝物館では、神事に使用する用具や神楽面、武具などが展示されており、貫前神社の歴史、伝え継がれてきた信仰や文化を垣間見ることができます。
白銅月宮鑑
貫前神社から徒歩10分ほどの場所にある「茶フェ ちゃきち」。日本茶専門店が営むカフェの自家製ジェラートは、抹茶だけで6種類!さらに玄米茶、ほうじ茶、玉露、季節限定の味がそろいます。このほか、メニューは本格的な抹茶からパフェ、あんみつ、クレープまで。のんびりと過ごしたいときにおすすめです!
住所…富岡市一ノ宮264
営業時間…11時~18時
定休日…月曜(祝日の場合は翌日)
TEL…0274-63-4017
■次回は上毛かるた「く」の札をご紹介します。