「湯本館」大浴場
利根川支流の赤谷川沿いにあり、かつては三国街道の宿場町として栄えた湯宿温泉。江戸後期から明治にかけては街道沿いに30軒の旅籠が軒を連ね、旅芸人に酒造りや屋根造り職人、近江商人、薬売り、田植えの手伝いにくる五月女など、さまざまな旅人が訪れては熱い湯で旅の疲れを癒しました。
交通のうつりかわりとともに旅籠の姿は消えていきましたが、宿場町の面影を残す石畳の道沿いには、今も4軒の温泉旅館と4つの共同浴場が湯煙をあげています。
ほぺたんと共同浴場「窪湯」
ほぺたんは温泉街をそぞろ歩き。共同浴場で湯浴みをする人の声や物音が通りまで響いてきて、湯の町らしい風情を感じます。「湯宿温泉では今もほとんどの家に風呂がなく、住民は共同浴場を利用しています。おかげで、湯宿のお年寄りは米寿を迎えても顔がピカピカですよ」と教えてくれたのは、湯本館のご主人、岡田作太夫さん。湯本館の裏庭に1200年以上も昔から湧くという源泉も見せてくれました。戦国時代には初代沼田城主の真田信之も関ヶ原の合戦後に湯宿を訪れ、この湯で戦の疲れを癒したそうです。
湯宿温泉の町並み
「湯宿温泉を訪れたらぜひ、周辺も散策してみてください」と岡田さんがすすめてくれたのは、温泉街から約1キロのところにある「たくみの里」。旧三国街道須川宿の風情ある町並みや、美しい田園風景の中をのんびりと歩くことができます。紅葉や小菊の花が見頃を迎える11月には、稲わらでつくるオブジェ「わらアート」もお目見え。秋の里を彩ります。
「たくみの里」わらアート
たくみの里めぐりを満喫したほぺたん。さらに足をのばし、やって来たのは赤谷湖です。ここは、赤谷川に相俣ダムが建造されたのにともなってできたダム湖。湖を半周できる遊歩道、雄大な谷川連峰を一望できる展望台があり、これからの季節は紅葉や山の雪景色、春になれば湖畔に咲く桜、湖上を泳ぐ100匹以上の鯉のぼりも見ものです。
赤谷湖
湯宿温泉からの帰り道、国道17号沿いに素敵な喫茶店を見つけました。白が基調の明るい空間で、その日に焙煎した新鮮なコーヒーをゆったりと味わうことができます。メニューには世界中のコーヒー豆があり、テイクアウトの豆も注文ごとに焙煎してくれるそう。自家製スイーツや軽食もおすすめです。
珈琲倶楽部 月夜野店
住所…利根郡みなかみ町下津1958-1
営業時間…9時~18時(17時30分 ラストオーダー)
定休日…火曜
TEL…0278-62-0222