許諾第05-010901号
群馬の気候の特徴といえば、山を越えて関東平野へ吹きおろす「からっ風」。毎年冬になると、シベリアから冷たい風が日本へと吹き込みます。海を渡って湿った風は、新潟や長野の山々にぶつかり大雪を降らせますが、山々を越えるころには水蒸気を失い乾いた風となります。上州名物のひとつとして数えられる「からっ風」は、地域によって「赤城おろし」「榛名おろし」「浅間おろし」とも呼ばれています。
また、群馬県は昔から雷が多いことでも知られてきました。県内には、雷に由来する地名や山名が各地に残されています。たとえば伊香保はこうした地名のひとつで、かつて榛名山を「雷(いかつち)の峰(ほ)」と呼んだことが由来といわれています。
1400年の歴史を持つ雷電神社(邑楽郡板倉町)
雷が多い地域で盛んに行われた雷神信仰。県内だけでも雷神をまつる神社が20社近くあります。今回ほぺたんが訪れた邑楽郡板倉町の「雷電神社」は、関東地方に点在する雷電神社の総本宮。その歴史は古く、天の声を聞いた聖徳太子が祠をつくったのが始まりと伝えられています。
大鳥居をくぐったほぺたんは、まず正面に見える立派な社殿でお参り。こちらの建物には、江戸時代に活躍した伝説の名工、石原常八(いしはらつねはち)の手によって見事な彫刻がほどこされています。
雷電さまにお参り!
社殿の彫刻
また、境内にある「八幡宮稲荷神社」は、県内最古の木造建築として知られています。二組の扉の中央に一本の柱が立つ構造は「二間社(にけんしゃ)造り」と呼ばれ、偶数を避ける習わしがあった神社建築では珍しいものなのだとか。
最後に、ほぺたんは社殿の裏へとまわり社務所へ。ここで「なまずさん」と呼ばれる銅像をなでると、地震や雷などの災難を取りのぞき、さまざまなご利益があるといわれています。
八幡宮稲荷神社
なまずさん
上毛かるたの「雷と空風 義理人情」は、群馬の風土に加えて県民性をあらわした札です。昔から群馬の人々は「義理人情にあつい」といわれてきました。その気質は、悲運の幕臣といわれる小栗上野介忠順(おぐりこうずけのすけただまさ)や侠客の国定忠治(くにさだちゅうじ)、尊皇思想家の高山彦九朗(たかやまひこくろう)といった歴史上の人物にも見ることができます。
実は、3人の名前は上毛かるたでも取り上げられるはずでした。実現しなかったのは、上毛かるたの制作が戦後間もないころに行われ、当時日本を占領していたGHQの指令によって禁止されてしまったからです。あきらめきれなかった上毛かるたの制作者たちは、「義理人情」という言葉に強い思いを込め、特別に読み札を赤く染めたのだそうです。
川魚料理で有名な板倉町。雷電神社の参道では古くから川魚料理屋が軒を並べ、「雷電さまにお参りしたあとにナマズを食べると縁起がよい」といわれていたそうです。「小林屋」の名物、なまずの天ぷらはふっくらとやわらか。他にも、うなぎのかば焼きや鯉のあらいなど、さまざまな川魚料理を楽しめます!
住所…邑楽郡板倉町板倉2335
営業時間…9時半~18時半
定休日…水曜
TEL 027-682-0032
■次回は南牧村をご紹介します。