許諾第05-010901号
伊勢崎銘仙は、大正から昭和中期にかけて全国で大流行した絹織物です。その起源とされているのは、江戸時代につくられていた太織。昔から養蚕が盛んだった伊勢崎では、農家の人々がくず繭(出荷できない汚れた繭や質の悪い繭)などからつむいだ糸を草木で染め、この糸を使った手織りの着物を普段着として利用していました。
明治時代になると、商品として太織が生産されるようになり、織物の技術が分業化され、さらに機械化が進んだことで、伊勢崎銘仙が誕生しました。
伊勢崎銘仙の特徴は、カラフルでモダンな柄や伝統的な柄が複雑な絣技術によって表現されているところです。さらに、絹織物なので軽くてあたたかく、手ごろな値段で購入できたため、人気を呼び、日本中に浸透しました。
いせさき明治館では、伝統的な伊勢崎銘仙を定期的に展示
ほぺたんは、銘仙の文化を今も守り続けている伊勢崎へ。伊勢崎では、生糸や織物を東京へ輸送するために鉄道機関が発達し、それに伴い街がますます発展していきました。市内では、織物産業で栄えていた時代につくられた建物を今も見ることができます。
伊勢崎を歩いてみよう!
伊勢崎駅から歩いて10分ほどのところに「旧時報鐘楼」があります。大正4年(1915年)につくられ、第二次世界大戦の戦火に焼かれましたが、現在では再建され、大正ロマンを感じられる街のシンボルとなっています。
「旧時報鐘楼」を後にしたほぺたんは、次に「いせさき明治館」へ向かいました。建物は明治末期の木造洋風医院建築で、市の重要文化財に指定されています。
「いせさき明治館」では、1年を通じて伊勢崎銘仙の企画展を開いています(年6~7回)。季節やテーマに合わせ、アンティーク銘仙の着物や羽織を展示。古さを感じさせない華やかな柄に目が奪われてしまいます。
旧時報鐘楼
いせさき明治館
毎年3月第1土曜日の「いせさき銘仙の日」になると、伊勢崎銘仙の魅力をPRするためのさまざまなイベントが行われます。なかでも、北小学校の体育館で開催される「銘仙ファッションショー」は、県内外から多くの人が訪れる人気のイベントです。また、伊勢崎神社境内で開催される「アンティーク銘仙市」にも着物姿の人々がつめかけ、織りの街を体感できる1日となっています。
長年受け継がれてきた織物産業の伝統を将来につないでいこうという思いは、上毛かるたの絵札にも描かれています。反物を持つ洋服姿の女性には、時代とともに生活スタイルが変化しても、日本人として伝統衣装である着物への愛着を持ち続けてほしいという願いが込められているそうです。
毎年開催される「銘仙ファッションショー」
かつて伊勢崎では、子どもたちが鉄板からもんじゃをスプーンですくって食べる姿があちこちの駄菓子屋で見られました。できたてアツアツのもんじゃは、子どもたちにとって定番のおやつだったのだとか。今は全国的に駄菓子屋の数が減っていますが、伊勢崎では、地元の食文化のひとつでもある「いせさきもんじゃ」を広めようと盛り上がっています。伊勢崎を訪れたらぜひ味わってみてください!
いせさきもんじゃマスコットキャラクター「もじゃろー」
© 伊勢崎商工会議所
■次回は上毛かるた「は」の札をご紹介します。