許諾第05-010901号
群馬県の北西部、吾妻郡中之条町にある四万温泉。四万川の上流にあり、周りをかこむ山々が四季折々に美しい表情を見せる、自然豊かな温泉地です。
四万温泉の歴史は古く、その起源は千年以上前にさかのぼります。伝説によると、平安時代、源頼光(みなもとのよりみつ)の家臣であった碓氷貞光(うすいさだみつ)は、この地で読経をしていました。すると、どこからともなく子どもが現れ、「あなたの読経の真心に感心し、四万(よんまん)の病気を治す霊泉を与えよう」と話したのだとか。これは神のお告げでした。夢うつつでお告げを聞いた貞光が目を覚ますと、そこに温泉が湧き出ていたと伝えられています。
また、征夷大将軍であった坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)が入浴したという言い伝えも残されており、伝説の湯で病や疲れをいやそうと、昔からたくさんの湯治客が訪れたそうです。
国民保養温泉地の第一号に認められた名湯、四万温泉
四万温泉へやって来たほぺたんは、まず温泉街の北側にある「御夢想(ごむそう)の湯」をたずねました。ここは夢から覚めた貞光が見つけた温泉といわれています。小さな浴場ですが、霊泉と伝えられるお湯に誰でも無料で入浴することができます。
伝説の湯に入ろう!
御夢想の湯
「御夢想の湯」のそばには、貞光が建てた「日向見薬師堂(ひなたみやくしどう)」があります。薬師堂にまつられている「薬師瑠璃光如来(やくしるりこうにょらい)」は、なかなか治らない病気を癒し、苦しみから救ってくれる仏様といわれています。かつて湯治客は、薬師堂の前にある「お籠堂(こもりどう)」に泊まり込み、病気が治るようお祈りしたそうです。
日向見薬師堂 お籠堂
四万温泉の温泉街を歩いていたほぺたん。散策の途中、「飲泉所」と書かれた建物を発見しました。入浴すると切り傷や神経痛、疲労回復などに効くとされる四万温泉のお湯ですが、飲めば胃腸によいともいわれているそうです。温泉街には「塩之湯飲泉所」「ゆずりは飲泉所」の2つがあります。
塩之湯飲泉所
ゆずりは飲泉所
四万温泉には、「御夢想の湯」のほかにも、「清流の湯」「こしきの湯」「河原の湯」「上之湯(かみのゆ)」といった共同浴場や足湯が点在しています。
また、300年以上の歴史を持つ老舗旅館「積善館」をはじめ、風情ある湯宿もたくさんあります。湯船から四万川の清流を眺めたり、家族みんなで入浴したり、アットホームな雰囲気でくつろいだり、温泉の楽しみ方は旅館によってさまざま。日帰りで楽しめるプランを用意した旅館もあります。四万温泉のお湯につかって、のんびりと休日を過ごしてみてはいかがでしょうか。
共同浴場や旅館の情報は、「四万温泉観光なび」をご確認ください
お食事処や、おまんじゅう屋さんが立ち並ぶ温泉街。おなかが空いた取材班は「柏屋カフェ」でひとやすみしました。お店の人気メニューは、2種類の味が楽しめるカレーと、温泉マークが描かれたカプチーノ。地元産の花豆がのった「高原豆サンデー」など、手づくりのスイーツもあり、温泉めぐりの休憩におすすめです!
住所…吾妻郡中之条町大字四万4237-45
営業時間…10~17時
定休日…なし
TEL…0279-64-2414
■次回は上毛かるた「い」の札をご紹介します。