「碓氷峠アートビエンナーレ」展示風景
そびえ立つ岩峰と美しい紅葉で名高い妙義山。古くから多くの文人墨客を惹きつけ、この山を舞台に数々の名作が遺されてきました。そんな妙義山の風土や芸術を全国に発信するのが、妙義山麓美術館です。
高崎市出身の画家で館長の稲川庫太郎さんも、妙義山に魅了されたひとり。絵を描きに訪れるうちに「この素晴らしい場所に美術館があったら」と夢を抱き、地元企業などの協賛を得て念願を叶えたのは平成3年のことです。
稲川氏と氏の作品
美術館では稲川さんの作品展示の他、妙義山とゆかりのある作家の展覧会や、「峠の釜めし」のふたに絵を描く「碓氷峠アートビエンナーレ」、妙義山を訪れた夏目漱石にちなむ「猫の絵を描く展覧会」、安中市磯部出身で「薔薇の詩人」とよばれる大手拓次(1887~1934)の詩と薔薇の絵の共演――とオリジナリティあふれる企画展を開催。群馬ならではの芸術にふれることができます。
ほぺたんが訪ねた日は、公募展「第30回日本はがき芸術作家展」を開催中(※現在は終了)。はがきサイズの紙に水彩画や書、ちぎり絵、切り絵などを自由に描き、プロ・アマを問わず誰でも応募できます。群馬から全国に芸術を発信すべく1994年から始まり、今年も国内外から1000点を超える作品が集まりました。「来年はぜひ、ほぺたんも参加してね」と稲川さん。
「第30回日本はがき芸術作家展」
美術館は妙義山の全景を見晴らす絶景地に立ち、館内サロンからは、青木繁や川合玉堂など名だたる画家が描いた妙義山の絵と、同じ風景を見ることができます。妙義山をスケッチできる屋外テラスもあり、画材を携えて訪れるのもおすすめです。
屋外テラスからの眺望
続いて、ほぺたんがやって来たのは妙義神社。妙義山の中腹に鎮座し、165段の階段をのぼると本社が現れ、振り返ると関東平野を一望できます。その素晴らしい眺望と、「Myogizinja」という小惑星の名前にもなっていることから「天空の社」ともよばれ、毎年10月8日には星に祈る星祭り「天空の社祈願祭」を行っています。
ほぺたんと妙義神社本社
取材中、築130年以上の養蚕農家を改修した古民家カフェで一休み。妙義山が見える、ゆったりとした空間でパスタと自家焙煎コーヒー、手作りスイーツをいただいてすっかり寛ぎました。コーヒー豆をお土産に購入し、庭でかわいい動物にも出会えて大満足!
古民家カフェ 桑庵
住所…富岡市妙義町大牛113
営業時間…11時~18時
定休日…月・火曜、第3金曜
TEL…0274-67-7880