碓氷峠の東麓に広がる「ろうばいの郷」
新年の清々しい青空に映える、ろうばい。
その名の由来は「臘月(ろうげつ)(陰暦12月の別名)に咲くから」「花がまるで蝋細工のようだから」などと言われ、年の暮れから立春の頃にかけて、艶のある、透けるような黄色い小花を咲かせます。
厳しい寒さがまだまだ続く季節、梅よりも早く、甘い香りを放って開花するろうばいは、真っ先に春を知らせてくれる花。季節の花の名所をめぐるほぺたんは、早春の便りを受け取るのを楽しみに、安中市松井田町にある「ろうばいの郷」へとやって来ました。
新春の花、ろうばい
のどかな山間に広がる「ろうばいの郷」。
遊休農地だったこの場所に、地元農家の手によってろうばいの植栽が始まったのは、30年ほど前のこと。その面積は少しずつ広がり、今は約3ヘクタールの敷地に約1200株、1万2000本ものろうばいが植えつけられ、真冬を彩る花の名所となりました。郷の手入れをするのは、地域内外の有志による農事組合法人「ろうばいの郷」のみなさんです。
歩道が整備された園内
ほぺたんは、ろうばいの花のトンネルのような小道を、のんびりと散策。花の向こうには、妙義山が顔をのぞかせています。歩き疲れたら、売店で暖をとりながらひと休みしましょう。温かいうどんやすいとん、おでんなどの軽食をいただけるほか、新鮮な地場野菜や、ろうばいの苗も販売しています 。
ろうばいの郷では、毎年1月初旬に「ろうばいまつり」を開催。地元の方たちによる太鼓演奏や八木節、日本舞踊などが行われ、模擬店の出店、ろうばいの切り花や甘酒のプレゼント(先着順)もあります。
園内では地場野菜も販売
ろうばいまつりの様子
ろうばいを観賞した後は、郷の近辺も散策してみませんか。
松井田は江戸時代、江戸の日本橋と京都の三条橋をつなぐ「中山道」の宿場町として栄えたところ。そこかしこに、宿場の繁栄を今に伝える名残があります。
その一つが、中山道を往き来する大名や商人の休憩所として使われた「五料の茶屋本陣」。200年以上前に建てられ、往時のまま現存する貴重な建物です。展示される豊富な資料や、庭園も一見の価値あり。一般公開されているので、ぜひ訪れてみてくださいね!
ほぺたん、松井田宿へ!
明治天皇も休憩された五料の茶屋本陣
松井田宿の宿屋だった築300年の古民家が、今は無料休憩所に。セルフサービスで水・お茶、トイレの利用ができ、500円の日替わりランチも提供。観光客はもちろん、地元民の憩いの場にもなっています。「一人で切り盛りしているので手が回らないこともありますが、お気軽にお立ち寄りくださいね」(町田さん)。
お休み処 みなとや
住所…安中市松井田町松井田560番地
営業時間…10時~15時 ※ランチは売り切れ次第終了
定休日…水曜定休(その他不定休あり)
TEL…027-393-0590