宮山温泉の湯
川が多いことが名前の由来といわれる川場村。雄大な武尊山を背景に豊かな田園と森が広がり、その合間をぬうように7本の川が流れています。風光明媚なこの地に、民宿「休み石」が開業したのは32年前のこと。宿に湧く湯には、こんな不思議なお話があります。
開業当時、このあたりは水道がなく、水は井戸水が頼りでした。それが地盤工事の影響で水が濁り、使えなくなってしまいます。やむなく新たな井戸を掘ることにしましたが、すぐそばに川があるというのに、掘っても、掘っても水が出ません。かくなる上は神頼みと、宿の裏山にある弘法大師ゆかりの能満山虚空蔵堂を参拝。すると、何も出なかった井戸に、なんと水が湧いたではありませんか。ところがそれは、飲用できない鉱泉でした。こうして宿は温泉民宿となり、湯を目当てに訪れるお客さんが増えたということです。 ほぺたんは、湯船にちゃぷん!ほんのりと黄色味がかった湯はやわらかで、浸かると肌がつるりとします。体もポカポカになりました。
ほぺたん、民宿「休み石」へ!
宿は今、旦那と女将、若旦那とその娘さんの若女将の家族4人で切り盛りしています。宿の立派な建物は、元大工の旦那さんが手がけたもの。ピカピカに磨きあげられた杉の柱や床がお客さんを迎えてくれます。女将さんの田舎料理もお楽しみ。「いわゆるおふくろの味で、身欠きニシンとフキの炊いたのというような素朴な料理ですが、よそではなかなか食べられないと喜んでいただいています」(若旦那さん)。
宿の前には、昔の旅人が腰かけて足を休めたと伝わる休み石が。この石のように、ほっと一息つきに訪れたくなる宿です。
民宿「休み石」
川場村を訪ねたら、自然のなかで釣りを楽しみませんか?「川場フィッシングプラザ」は、武尊山から流れる薄根川の水を引いた管理釣り場。えさ釣りやルアー&フライフィッシング、BBQを楽しめます。釣りが初めてでも、スタッフさんが教えてくれるから安心。自分が釣った魚を食べる体験は、子どもの食育にも役立ちそう。春はお花見しながらBBQもおすすめです。
川場フィッシングプラザ
釣った魚をその場で塩焼きに
川場村を取材中、素敵なお寺に立ち寄りました。1339年に創建された臨済宗の禅寺で、春から秋にかけて100種以上の花に彩られる「花寺」としても知られています。春は水芭蕉から始まり、桜、水仙、クリンソウと次々と開花。庭を眺めながら、椅子席で抹茶とお菓子をいただくこともできます。
青龍山 吉祥寺
住所…利根郡川場村門前860
TEL…0278-52-2434
拝観時間…9時~17時(最終受付16時30分)
料金…大人/800円 小・中・高生/350円