許諾第05-010901号
まゆは鶴、ひげは亀。縁起のよい動物が顔に描かれた高崎のだるま。その発祥の地として知られる「少林山達磨寺(しょうりんざんだるまじ)」は、達磨大師(だるまだいし)の教えを受け継ぐ禅宗のお寺ですが、300年以上にわたって北斗七星をあがめ、「少林山七草大祭(ななくさたいさい)」を行ってきました。この星祭は毎年1月6日から7日にかけて夜通しで行われ、星がいちばん輝く7日午前2時が最もご利益のある時間といわれています。
少林山達磨寺では、年に数回(1月15日ほか)、お焚き上げ供養が行われる
縁起だるまは、200年ほど前、大飢饉で苦しむ人々を救うため、九代目東獄和尚(とうがくおしょう)によって考え出されました。農家の副業になるようにと、東獄和尚はお札に描かれた達磨大師の絵をもとに張子のだるまを作り、その方法を伝授。「少林山七草大祭」に集まった参拝客に、縁起物として売り出したところ評判となったと伝えられています。
少林山達磨寺にやって来たほぺたんは、立派な総門をくぐって境内へ。「霊符堂(れいふどう)」と呼ばれる本堂にやってくると、その両側にはたくさんのだるまが山積みにされていました。このだるまはすべて、役目を終え、お焚き上げ供養を待つものなのだとか。「どんな願いを叶えたのかな?」ほぺたんは想像をめぐらせました。
中国建築の様式を持つ総門
境内にはだるまがいっぱい!
霊符堂の横にある「達磨堂」には、全国各地でつくられただるまが、所狭しと並んでいます。そのユニークな姿にほぺたんはにっこり。笑い顔のもの、三角形をしたもの、ふさふさの毛が生えたものなど、高崎から広まっただるまは、表情や形を変え、各地で愛されてきたようです。
古今東西のだるまが並ぶ達磨堂
このほか、境内には、茅葺(かやぶ)きの「観音堂」や、ドイツ出身の世界的建築家ブルーノ・タウトが住んでいた「洗心亭(せんしんてい)」などが建っています。四季折々の花を愛でながら境内を歩いてみませんか?
達磨寺最古の建物、観音堂
お札場に並ぶだるまはすべて、達磨寺で祈祷され、後ろにお札が貼ってあります。両目はまっしろ。「お願いごとをしよう」と思ったほぺたんは、だるまさんに向かい合い、願いをこめ、その右側にだけ眼を描き入れました。そして願いがかなったとき、感謝の心をこめてもう片方の眼を入れるのが、縁起だるまの伝統です。
上毛かるたの絵札を見てみると、だるまの目は片方だけ描き入れられています。だるまの上には、達磨寺がおまつりする北斗七星にちなんで星が描かれていますが、6つしかありません。星が1つ足りないのは、ひとりひとりが7つ目の輝く星になって欲しいという願いが込められているそうです。
広い境内を散策したあとは、霊符堂の裏にある「喫茶だるだる」でのんびりひとやすみ。かわいらしいだるまグッズが並ぶ店内。冷たい飲みものと一緒にどら焼きをいただくと、その上にもだるまが描かれていました!さらに、ここでは、だるまの絵付け体験にも挑戦できます。好きな絵や文字を描いて、自分だけのだるまさんを作ってみませんか?
住所…高崎市鼻高町296(少林山達磨寺内)
営業時間…10時~16時
定休日…年中無休
TEL…027-322-8800
■次回は上毛かるた「へ」の札をご紹介します。