るっく&WALK

NO.155 上毛かるた 「む」の札(2015年3月号)

上毛かるた 「む」の札

許諾第05-010901号

るっく&WALK in 高崎市

石に刻まれた郷土の歴史

多胡碑の写真

多胡碑

今からさかのぼること、1300年以上前。和銅4年(711年)3月、中央政府の命により、上野国(かみつけのくに)(現在の群馬県)に新しい郡がつくられました。この新しい郡の誕生を記念してつくられたのが、多胡碑です。

古代、特別なできごとを記録したり、すぐれた業績をたたえたりするため、石に文字を刻み、さまざまな石碑がつくられました。しかし、長い歴史の中で行方がわからなくなったものも少なくありません。今、私たちが見ることのできる石碑は、はるか遠い昔のできごとを知るための貴重な資料となっています。

多胡碑にはどんな先人の足跡が刻まれているのでしょうか? ほぺたんと一緒に「多胡碑記念館」を訪ねました。多胡碑のすぐ後ろに建つ記念館では、碑文の内容を解説するとともに、多胡郡に関する考古資料が展示されています。

展示室へ入ったほぺたんは、原寸大の多胡碑のレプリカをじっと見つめました。152.5センチメートルの石碑には、6行にわたって80の文字が刻まれています。

多胡碑に刻まれた文字の内容は「片岡(かたおか)郡、緑野(みどの)郡、甘楽(か(ん)ら)郡の3郡から300戸を分け、新しく多胡郡をつくる」というもの。しかし、意味があいまいな語句も中にはあります。たとえば、「給羊」の2字については、朝廷が町の誕生を祝うため動物の「羊」を用意した、あるいは「羊」という名前の人物に多胡郡の支配を任せたなど、研究者によって解釈が異なります。地元の人たちの間では「羊太夫(ひつじだゆう)伝説」が語り継がれ、多胡碑は「ひつじさま」と呼ばれ愛されてきました。

さらに、記念館では、古代中国の拓本なども展示されています。これは、楷書体で書かれた多胡碑の文字が、中国の六朝風(りくちょうふう)をのこすといわれ、古くより多くの書家に愛好されてきたからです。書道史のうえでも評価される多胡碑は、那須国造碑(なすのくにのみやつこのひ)(栃木県)、多賀城碑(たがじょうのひ)(宮城県)とともに「日本三古碑」に数えられています。

多胡碑記念館の外観

ほぺたん、多胡碑記念館へ!

多胡碑記念館 展示室の写真

多胡碑記念館 展示室

記念館を見学した後、本物の多胡碑を見るため外へ出たほぺたん。多胡碑の前で小さな石碑を見つけました。それは、明治時代、初代群馬県令(現在の県知事)となった楫取素彦(かとりもとひこ)の歌碑です。楫取素彦は、多胡碑とともに金井沢碑(かないざわひ)、山上碑(やまのうえひ)の歴史的重要性を訴え、これら「上野三碑(こうずけさんぴ)」の保護に尽力しました。

高崎市内に現存する「上野三碑」は、現在、国の特別史跡に指定され、劣化を防ぐため覆屋の中で保管されています。年に一度の一般公開は、貴重な古碑を間近で見られるチャンスです(2015年は3月8日を予定)。

楫取素彦の歌碑の写真

楫取素彦の歌碑

多胡碑を保護している覆屋の写真

かつて風雨にさらされていた多胡碑は、現在、覆屋の中で大切に保護されている多胡碑

編集部だより

多胡碑記念館を後にした取材班が立ち寄った、「カフェ ヴォン クォーレ」。昨年オープンしたばかりのお店でランチをいただきました。たっぷりのチーズと半熟卵がのった、あつあつの焼きカレーはお店の人気メニュー。そのほか、地元の野菜を使ったパスタやピザ、ハンバーグなどが選べるランチセットは、サラダとドリンク、ミニデザートがついて、ボリューム満点です!

カフェ ヴォン クォーレ

高崎市吉井町池1374-4
営業時間…【月~木】11時~21時【金・土】11時~22時
定休日…日曜
027-393-6587

人気メニューの写真
カフェ ヴォン クォーレの外観
地図
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■次回は「ほ」の札をご紹介します。