るっく&WALK

NO.255 桐生市「大川美術館」(2024年7月号)

内部の様子

かつての社員寮を美術館として活用

るっく&WALK in 桐生市

名画に癒される「大川美術館」

「絵は心のマッサージ」とは、桐生市生まれの企業家、大川栄二氏(1924-2008)の言葉です。ダイエー副社長、現・マルエツ社長を務めるなど経済界で活躍しながら、絵をこよなく愛した大川氏は、40年にわたり1200点の作品を収集しました。「絵があったから激務も乗り越えられた」と語る彼の言葉から、熱い思いが伝わります。

ほぺたんの写真

ほぺたん、「大川美術館」へ!

そんな大川氏が自身のコレクションをもとに、桐生市の支援を得て開設したのがこの美術館。収蔵作品は現在7500点にのぼり、大川氏がとくに魅了されていた日本の近代洋画家・松本竣介の作品群をはじめ、ピカソやユトリロなど海外の著名画家の作品も収めています。

松本竣介の作品を展示する様子

松本竣介の作品を展示

美術館は桐生市民から水道山とよばれ親しまれている山の中にあり、その建物は元社員寮を改築したものです。寮の個室を展示室として活用しているため、館内には小部屋のような展示室が連なり、迷路を巡るように鑑賞することができます。天井の低い小さな展示室は個人宅のような親しみやすい雰囲気で、作品を身近に感じられるのも魅力です。

作品の前に立ってじっくりと見たり、ソファに腰かけてぼーっと眺めたり。絵に囲まれた静かな空間で気の向くまま過ごすうちに、心がほぐれていきます。

同館によると「ここは絵を見るのはもちろん、ソファで居眠りしてもいいし、ティールームでお茶するだけでも大歓迎。忙しく心が落ち着かないようなときこそ、当館でほっと一息つかれてはいかがでしょう」とのこと。

大川美術館では企画展を年4回開催し、8月からは桐生を拠点に活動する写真家・石内都氏の大規模な展覧会を開催します。石内氏は国内外で数々の受賞歴があるなど、世界から注目される写真家。代表作には被爆者の遺品を撮り続ける連作「ひろしま」などがあります。この機会に足を運んでみませんか?

錦櫻橋#1の写真

石内都《錦櫻橋#1》2002-2009年

美術館のあとは、水道山頂上の「水道山公園」に行ってみましょう!展望台から桐生市街を一望でき、夕暮れから夜景へと移りゆく幻想的な景色も楽しめます。

夜景の写真

「水道山公園」からの夜景

編集だより

桐生の街を取材中に見つけたのは、デザイナー夫妻が東京から桐生に移住して開いたファッションアトリエ&ボードゲームカフェ。地元の人も外から来た人も一緒にゲームを楽しんでいるそう。初心者もオーナーが教えてくれるので安心。お酒を飲まずに大人が遊べる素敵な場所です。

ふふふ
住所…桐生市本町6-400
営業時間…13時~22時(入店20時まで)
定休日…月曜・火曜

  • 掲載した店舗・施設は、定休日以外に臨時休業となる場合もあるので、ご了承ください。
  • 一部取材先より画像をお借りしています。
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