許諾第05-010901号
安中原市杉並木
中山道は、江戸時代初期に整備された五街道のひとつ。新町宿から上州に入り、碓氷峠を抜けて信州へと続く中山道は、東海道とともに江戸と京都を結ぶ重要な街道でした。
中山道を多くの旅人が行き交った時代、道筋には宿場が整えられ、通行する人々を風や日差しから守るために並木が整備されました。当時、安中から原市まで約1キロメートルにわたって700本以上の杉が植えられたといわれており、かつては日光杉並木よりも名を知られた存在だったそうです。
中山道の面影を探し求めてほぺたんは安中へ。明治時代、安中の杉並木は「旧碓氷郡役所」などの建築用材としても利用されました。さらに時代が進み、自動車が普及するようになると、その排気ガスで杉が枯れるようになりました。杉の本数は減少してしまったものの、樹齢300年とも400年ともいわれる古木を今も見ることができます。
ほぺたん、安中へ!
旧碓氷郡役所
杉並木を眺めながら歩いていたほぺたんは、「天然記念物安中原市杉並木」と刻まれた石碑を発見。この石碑は、昭和8年(1933年)に保護を目的として杉並木が国の天然記念物に指定され、その翌年につくられたものだそうです。
旧中山道沿いに建つ並木副配水池には、腰に刀をさした侍たちが街道を走る姿が描かれています。この絵は、幕末に行われた「安政遠足」の様子を描いたもの。当時、安中藩主であった板倉勝明が、藩士の心身を鍛えるため安中城門から碓氷峠熊野神社までの7里余り(約29キロメートル)を走らせたといわれています。
天然記念物の碑
安政遠足の絵(並木副配水池)
中山道を藩士が走り、競い合った「安政遠足」は、日本最古のマラソン大会といわれています。安中市文化センターの西側に並ぶ2つの石碑。ひとつには「安中藩安政遠足之碑」、もうひとつには「日本マラソン発祥の地安中」と刻まれています。
その歴史にちなみ、安中では、毎年5月第2日曜日に「安政遠足侍マラソン」が開催されています。ユニークな仮装をしたランナーたちが多く参加するマラソン大会は、安中の初夏の風物詩となっています。
安政遠足の碑
日本マラソン発祥の碑
安中では、2年に1度10月に「あんなか祭り」が開催されます。旧中山道を練り歩く山車はとても華やか。6つの地区を代表する山車が勢ぞろいすると、お囃子の競演が繰り広げられるのだとか。今年は安中市合併10周年を記念した花火大会も行われるそうです。次はお祭りを見に安中を訪ねたいと思います!
開催場所…安中市安中地区・安中市役所周辺
開催日…平成28年10月9日・10月10日
※詳細は、「あんなか祭り」の公式facebookページをご覧ください
■次回は中之条町をご紹介します。