桑原巨守の作品10点が並ぶ常設展示室
春の陽光と風を謳歌する乙女たち。衣服も髪も風になびかせながら、花を捧げ持って空を仰ぐ少女――。
上州のからっ風と明るい太陽を彷彿させるような美しい彫刻作品を手がけたのは、沼田市生まれの彫刻家、桑原巨守です。「青少年読書感想文全国コンクール」課題図書のマークに使われている、牧羊神をデザインしたことでも知られています。
制作中の桑原巨守(1927-1993)
桑原氏は沼田市の家具屋の次男として生まれました。現在の沼田高校を卒業し、東京藝術大学に進んで木彫を学び、卒業後は粘土を使って形づくる「塑像」を中心に創作。みずみずしい女性像を通して、太陽や風、野の花など身近な自然の素晴らしさを表現してきました。その作品は全国各地に設置されています。
渋川市は自然を活かすまちづくり政策の一環として、自然賛美の作風を持つ桑原作品を市内のさまざまな場所に設置してきました。
遺族から作品の寄贈を受け、桑原作品を紹介する美術館を元群馬銀行渋川支店内に開設したのは2000年のこと。それを渋川市役所第二庁舎に移転し、今年3月にリニューアルオープンしたのが、この美術館です。
市民らが気軽に立ち寄る憩いの場とするため、無料開放している常設展示室は、外とゆるやかにつながる半屋外の空間。ガラス屋根から差しこむ自然の光で、桑原氏のブロンズ像を鑑賞することができます。
ほぺたんと桑原作品「春のよろこび」
季節や天候、陽の動きによって見え方が変わり、「ライトアップされた夜の彫刻もすてきですよ」と館長の中山さん。美術館の楽しみ方について「専門知識がなくても大丈夫。それよりも、どんな気持ちでつくったんだろうと作者に思いをはせたり、作品の感想を語り合ったり。芸術を通した人とのかかわり合いを楽しんでいただけたら」と話してくれました。
美術館のあとは、渋川市の花、あじさいの花巡りを楽しみませんか?
市内には、小野池あじさい公園や渋川市総合公園、渋川スカイランドパークのアナベル畑など、あじさいの名所がたくさん。例年の見頃は、6月中旬から7月です。
小野池あじさい公園
市役所通りのパン屋さんでランチを調達。並べたそばからなくなるパンは、奥さんが毎朝3時に店に入り、具材からすべて手づくりしています。名物は、ふわふわ食パンにカステラパン、惣菜パンにケーキ、そして店員さんとお客さんの心温まる会話。渋川市に創業して45年、地域に根づく老舗です。
焼きたてパン オリンピック
住所…渋川市渋川1698-5
営業時間…11:00過ぎ~売り切れ次第閉店
定休日…日曜、祝日
TEL…0279-24-5101