草木湖の湖畔に建つ富弘美術館
渡良瀬川上流の山あいに、全国からたくさんの人が訪れる場所があります。口に筆をくわえて、みずみずしい草花の水彩画や心に響く詩を描いた、星野富弘さんの作品を紹介する美術館です。
展示室
富弘さんは昭和21年、勢多郡東村(現みどり市東町)に生まれました。山や川を遊び場にわんぱくに育ち、青春時代は器械体操と山登りに熱中。群馬大学卒業後は体育教師になりました。人生が一変したのは24歳のとき。部活動の指導中に首の骨を折る大怪我をし、首から下の運動機能を失ったのです。
絶望の中にいた富弘さんですが、たくさん届く励ましの手紙に返事を書きたいという思いから、口に筆をとります。文字を書けるようになると、次はお見舞いの花を描くようになり、やがて花の絵にそのときの思いをつづった詩を添えるようにーー。命と精一杯に向き合いながら描いた「花の詩画」は、大きな反響をよびます。富弘さんは詩画作家として歩み始め、その生き方や作品を通して、多くの人を勇気づけました。
令和6年春、富弘さんは78歳で亡くなりましたが、ふるさとにあるこの美術館ではいつでも、富弘さんを育んだ自然や直筆の詩画が訪れる人を迎え、生きる喜びを与えてくれます。 「富弘さんの詩画は、見る人の心をありのままに受けとめてくれる優しさがあり、どんなときも“大丈夫だよ”と語りかけてくれるかのようです。富弘さんに会いに行く。そんな気持ちで訪れていただけたら」(学芸員・相崎さん)。
星野富弘さんの作品「小さな実」
詩画作家・星野富弘さん
美術館は草木湖と足尾山地の山々に抱かれるように建ち、眺望の良いカフェやテラスで、作品の余韻にひたるのもおすすめです。
美術館の後にほぺたんが訪れたのは、「旧花輪小学校記念館」。明治6年に旧勢多郡東村に開校し、平成13年に閉校した花輪小学校の旧校舎を保存・公開しています。木造2階建の校舎は昭和6年の完成時の姿をほぼそのままに残し、ノスタルジックな世界に、卒業生でなくても懐かしい気持ちになります。
ほぺたん、旧花輪小学校記念館へ!
スミテラスBBQ水沼
住所…黒保根町八木原宮原579-1 「サウナの森 水沼ヴィレッジ」内
営業時間…11時~21時(ラストオーダー 20時)
定休日…無休
TEL…0277-46-6557