展示風景
北に渡良瀬川、南に利根川が流れ、2つの大きな川に挟まれる館林市。
多々良沼や城沼など5つの沼や湿原が点在し、多様な動植物が息づく豊かな自然環境が保たれています。そんな街に「かわいいシロクマがいる」と聞いて、ほぺたんがやって来たのは動物園、ではなく美術館です。目当てのシロクマを探すと、ガラス張りの展示室に発見!それは、美しくも愛らしい大理石の彫刻でした。
ほぺたん、群馬県立館林美術館へ!
作者はフランス人の動物彫刻家、フランソワ・ポンポン(1855~1933)。彼の作品の魅力は、シンプルな形で、まるで動物たちが生きているかのように表現していることです。代表作であるこのシロクマも、毛は一本も彫られていませんが、佇まいはまさにシロクマ。地面を蹴り上げる足、ぬっと前に伸びた首は、今にも動き出しそう。
動物園や農場の動物をモデルに、鶏や猪、カバ、オランウータンなど、さまざまな動物を作品にしたポンポン。動物からもなつかれるほど動物と仲良しだった彼の彫刻は、どこか温かさを感じさせて、見ていると幸せな気持ちになります。
フランソワ・ポンポン 《シロクマ》 1923-33年 白色大理石
群馬県立館林美術館は、「自然と人の関わり」をテーマに2001年に開館。テーマにふさわしい作家としてポンポンに注目し、作品をコレクションしています。建物は多々良沼のほとりに建ち、ガラス越しに広がる自然を背景に、のびのびとポーズをとる動物彫刻を鑑賞することができます。
12月中旬まで、スペインの画家ジョアン・ミロの版画作品を紹介する企画展も開催。色とりどりの形や線で自由に表現するミロの作品は、絵に詳しくなくても楽しめそう。鑑賞後は併設の「エミール 水辺のワッフルカフェ」で自家製ワッフルを味わってみては。
ジョアン・ミロ 《女と鏡》
1956年 © Successió Miró / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2024 G3555
丸ごと焼きりんごワッフル
時間があれば、多々良沼にも足を伸ばしてみましょう!年間約100種もの野鳥を観察でき、11月から3月には、白鳥の群れが冬を越すためにシベリアから飛来します。晴れた日は夕日や富士山の眺望も壮観です。
多々良沼
三桝屋總本店(みますやそうほんてん)
住所…館林市本町1-3-12
営業時間…9時~17時
TEL…0276-72-3333
定休日…日曜