尾瀬アヤメ平の池塘と草紅葉
群馬・新潟・福島の3県にまたがる高地に広がる湿原、尾瀬ヶ原をはじめ、大小さまざまな湿原や湖沼から成る尾瀬。冬の豪雪によってもたらされる豊富な雪解け水が湿原を潤し、池塘(ちとう)と呼ばれる青い池や清流、雄大な滝など、美しい水辺の風景を生み出しています。
1年の半分が雪に閉ざされる尾瀬では、5月下旬、雪解けとともにミズバショウやリュウキンカなど湿原植物の花が次々と咲き、夏は一面のお花畑となります。お盆を過ぎるともう秋の気配が漂いはじめ、9月中旬になると草紅葉(くさもみじ)の季節が到来。湿原の植物が紅葉し、一帯が秋色に染まります。
この草紅葉を楽しもうと、ほぺたんが向かったのは標高1969mの尾根上に広がる湿原、アヤメ平です。尾瀬ヶ原よりも500メートル以上高いこの場所は「天上の楽園」と称され、日光や会津、越後の山並みまで見晴らせる絶景スポットでもあります。
ほぺたん、アヤメ平へ!
ほぺたんは尾瀬への入り口、鳩待峠(はとまちとうげ)から出発。赤い木の実や色とりどりのキノコに秋の訪れを感じながら、山道を登ること約1時間半。ふいに視界が開け、横田代と呼ばれる湿原が現れます。夏に黄色い花を咲かせたキンコウカなどの植物が色づき、金色の草原が空まで続くかのようです。
アヤメ平から望む燧ヶ岳
キンコウカの花(尾瀬ヶ原)
眺望を楽しみながら木道を進み、小さな山を越えるとアヤメ平に到着。名前にアヤメとありますが、実際にはアヤメは咲かず、かつてキンコウカの葉をアヤメの葉と間違えたことが名付けの由来といわれています。
夏には花で彩られたアヤメ平も、今は赤や黄やオレンジの草紅葉へと衣替え。池塘は秋空を映し、その向こうには東北最高峰の燧ヶ岳(ひうちがだけ)を筆頭に、景鶴山(けいづるさん)、至仏山(しぶつざん)など2000メートル級の山々が目線の高さに立っています。絶景を前に、ほぺたんはベンチで一休み。余裕があれば、大きな池塘が広がる富士見田代まで足をのばすのもおすすめです。下山は来た道を戻りましょう。
この後、尾瀬の紅葉は湿原から山へと移り、10月になれば初雪が舞い、また長く厳しい冬が訪れます。
富士見田
下山後はこちらの温泉へ。雄大な山並みを望む絶景の露天風呂や、四季の庭を楽しめるロックガーデン風の露天風呂が人気です。湯上がりには地元食材を使ったお料理でエネルギー補給もおすすめ。山の余韻に浸りながら疲れを癒せます。
花の駅・片品 花咲の湯
住所…利根郡片品村花咲1113
営業時間…10時~20時(受付は19時30分まで)
定休日…金曜(祝日は無休)
TEL…0278-20-7111