紅葉の榛名湖
富士山にそっくりな榛名富士を湖面に映し出し、見事な「逆さ富士」を見せてくれる榛名湖。四方を榛名富士、掃部ヶ岳、烏帽子ヶ岳などの山々から成る榛名山に囲まれたこの湖は、古くは「いかほぬま」とよばれ、万葉集にもその名が詠まれている名勝地です。
江戸時代になると、榛名山北麓に湧く伊香保温泉から榛名湖、榛名神社を巡る旅行が庶民に広まりました。明治時代には、画家の竹久夢二や文豪の徳富蘆花、歌人の与謝野晶子ら名だたる文人が訪れるようになり、大正13 年に県内で最初の県立公園として開園。観光地として一躍人気が高まり、今も一年を通じて多くのレジャー客が訪れます。
伊香保森林公園「もみじの広場」 ※観光ぐんま写真館提供
春の桜、夏の花火、冬のイルミネーションと四季折々に彩られる榛名湖ですが、秋は格別。燃えたつような紅葉が湖畔を染め上げます。
秋深まる頃、ほぺたんは湖畔のハイキングコースを散策。朱や黄に色づく楢、樫、桜などの樹々の間から、輝く湖面がのぞきます。ボートにも乗って湖上から錦秋の榛名山を眺め、すっかりご満悦。
少し足をのばして、周辺の紅葉スポットも訪ねてみましょう。ほぺたんが向かったのは群馬県立伊香保森林公園。管理棟がある駐車場からほど近い「もみじの広場」では、錦を広げたようなもみじの森が出迎えてくれます。
その足で伊香保方面へ山をくだり、立ち寄ったのは竹久夢二伊香保記念館。大正時代に美人画で一世を風靡した夢二は、榛名をこよなく愛し、湖畔にアトリエを構えました。ほぺたんは、夢二の晩年の大作「榛名山賦」を鑑賞。記念館が建つ「大正ロマンの森」には和洋の趣ある建物が点在し、秋には紅葉が彩りを添えて、ロマンチックな風情に浸ることができます。
ほぺたん、竹久夢二伊香保記念館へ!
日が暮れる頃、最後に訪れたのは伊香保温泉街。ほぺたんは観光客でにぎわう伊香保名物の石段を365段のぼり、湯元近くにかかる河鹿橋へ。朱塗りの太鼓橋ともみじの紅葉がライトアップで艶やかに浮きあがり、訪れる人を幻想的な世界へ誘います。
河鹿橋 ※観光ぐんま写真館提供
取材帰り、囲炉裏のある古民家でひと息。炭火焼きのとうもろこしやいも串、自家製くず餅が名物の茶屋で、ご主人が地元食材を手間ひまかけて調理しています。焼きたてのとうもろこしは目を見張るおいしさ!とうもろこしは例年10月上旬まで、いも串は9月下旬からです。
鹿火屋
住所…北群馬郡吉岡町上野田1329−127
TEL…0279-54-3920
営業時間…9時30分~16時、日曜・祝9時30分~16時30分
定休日…不定休