やわらかくて香りが良い野菜の若葉がミックスされた「産直 ベビーリーフ(有機栽培)」。
訪ねた生産現場の平均年齢は27歳。畑には若いエネルギーと笑顔が満ち溢れていました。
化学的に合成された肥料や農薬の使用を避けることを基本として、自然界の力を生かし生産する有機栽培された商品が受ける認証。
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コープの「産直 ベビーリーフ(有機栽培)」は、ルッコラ・水菜・小松菜・ビート・ロメインレタスやオークレタスなど5~6種類の野菜の若葉をミックスしたもの。
生産するのは、熊本県上益城(かみましき)郡にある株式会社果実堂。県内500棟、県外を合わせると700棟のビニールハウスでベビーリーフを育てています。
技術・品質管理室主任の米田朋樹(ともき)さんと工場管理室サブリーダーの坂本健二さんに話を聞きました。
「有機栽培は、化学的に合成された肥料や農薬、遺伝子組換えのものを使用しない、栽培の過程で環境に負荷をかけず、その土地が持っている力を引き出して植物を育てる方法です」と米田さん。
有機肥料は、畑に投入後、微生物が分解すると植物が栄養素を吸収できるようになります。徐々に栄養素に分解されるので、栄養を取ろうと根がしっかり張り、野菜自体の持つ力を引き出すことができ、葉1枚1枚の味が濃くなるのだといいます。
ベビーリーフは毎日どこかの畑で種まきをし、収穫もしています。夏は約2週間、冬は40~50日間育てて収穫です。
「一番大事なのは水の管理です。スタッフは、土の水分率を手で握っただけで把握できるように訓練し、マニュアルも作って誰でもできるように平準化しています。畑ごとに社内の研究所で土壌分析し、適量の肥料を必要な分だけ与えます」と米田さん。
「農業でよく聞く『経験や勘』には、必ず科学的な根拠があります。それらをデータ化していきたいです。あとは、農業だから長時間労働は仕方ないという考え方はせず、効率良く作業を統一し、計画を立てて仕事をしています。何よりも、食べてくださる方々がいるから栽培できるので、質の良いものを作り続けていきたいです」と米田さんは熱く語ります。
収穫したてのベビーリーフはすぐに直営工場でパック詰めし、出荷されます。
「常に農場と生育状況や収穫量などの情報を共有し、農場はもちろん、工場も有機JAS認証を取得しています」と坂本さん。
選別機で異物を取り除いたあとは、4℃の冷蔵庫で平均20時間かけて冷やすことで、植物の活動を低下させ、菌の増殖を抑え、日持ちもします。
その後、葉をミックスする工程では、彩りや味のバランスを整えます。
目視でのチェックも繰り返しながら、ふんわりとパック詰めして完成です。
「食べる直前に水で洗ってください。洗うことでみずみずしさも戻ります。栄養が豊富な土で育てているからおいしいんです。ベビーリーフを、当たり前に食卓に並ぶ商品に成長させていきたいです」と米田さんが最後に話してくれました。
ふわっとお皿に盛るだけで、料理がちょっと華やかになるベビーリーフ。ぜひ食卓でご活用ください。
果実堂は2016年に発生した熊本地震の震源地から10kmのところにあり、大きな被害を受けました。それまで水やりに使用していた大切畑(おおきりはた)ダムは、決壊の恐れがあり水を抜かなくてはならず、廃業の可能性も考えなくてはならない状況でした。
しかし4基の井戸を掘り、ベビーリーフを育てられない危機を乗り越えました。現在もその井戸水を使ってベビーリーフを育て、皆さんにお届けしています。
果実堂のベビーリーフは、国際的に安全管理の評価を得ている農産物であると認められる「グローバルGAP認証」を取得しています。
坂本さんは50人ほどの仲間と工場での仕事を、米田さんは24人の仲間とともにベビーリーフの栽培と、自社の研究所での研究業務にも励んでいます。
ギザギザの形がおなじみ、シャキシャキ歯ごたえが自慢の京野菜。
カルシウムがほうれん草の約3倍含まれています。
アブラナ科の野菜。
色が濃く、やわらかくてジューシーです。カルシウム、βカロテンが豊富です。
ごまの風味と独特の苦味があるやわらかなイタリアン野菜。
亜鉛が豊富に含まれ、βカロテンがかぼちゃとほぼ同量含まれています。
赤い葉脈は抗酸化作用のあるベタシアニンたっぷりの証。
大きく育ったものが真っ赤な根菜・ビーツです。マグネシウムがほうれん草の約2倍含まれています。
ナッツ風味のレタスの仲間。
やわらかくて食べやすい。カリウムがすいかの約5倍含まれています。
やわらかいフランス生まれの野菜。
抗酸化作用も高く、亜鉛がかぼちゃの約2倍含まれています。
【広報誌2019年12月号より】