コープデリ商品政策6つの柱・6
持続可能な社会の実現への貢献の考え方
持続可能な生産・消費に向けた商品供給事業を
進めます
I．持続可能な農・畜・水産・林業の支援
1．おいしく食べて、たのしく学び、地域から日本の農業・畜産業・水産業を応援します。
- 「つくる責任」「つかう責任」の双方の立場から、国産の食料を広めること、利用すること、そしておいしく食べることに取り組み、食料自給力を高めていきます。
- フードチェーンの一員として、地域の一員として、地域の食文化を大切にする、地域の農畜水産業を応援する地産地消に取り組みます。
- フードチェーン全体で品質向上と低コストを意識した生産・加工・流通に取り組み、組合員ニーズにマッチした商品を、利用しやすい価格で提供します。
- 食べものをつくることの大変さ、食べることの楽しさ・大切さについて、学び伝える取り組みを生産者・取引先・行政・他団体と協力しながら進めます。
- 農業・農村体験、工場見学、生産者との交流会、料理教室など食の学び場と機会を広げます。
2．環境に配慮した農業を応援します。
- 産地・生産者と協力しながら生産方法、生産時期、流通方法などの見直しを行い、農薬、化学肥料の使用量の抑制および省エネ型産業への転換を進めます。
- 有機JASの認証を受けた農産物および原料に使用した加工食品の開発と利用に取り組みます。
- レインフォレスト・アライアンス認証（Rainforest Alliance）の商品の開発と利用に取り組みます。
- 食品安全、環境保全、労働安全等を確保するための適正農業規範（GAP）の取り組みを支援します。
一定の基準で農薬や化学肥料を使用しないで作られた農産物とその製品です。
有機農産物、特別栽培農産物を「グリーン・プログラム」商品として表示します。
人と自然にとってより良い未来を推進する方法で栽培されたことを意味しています。ra.org/ja
3．日本の米と田んぼを大切にします。
- 米の新品種の開発、米を主原料とした新たな商品の開発、米以外の生産および商品化など、生産者と協力しながら田んぼの有効活用を基本とした多様な方策にチャレンジします。
- 飼料用の米で育てた牛・豚・鶏肉や卵、米粉を使用した商品の開発と利用に取り組みます。フードチェーン全体で効率化を進め、おいしさと利用しやすい価格を追求します。
4．持続可能な水産資源の開発と利用を進めます。
- 日本近海の水産物の取り扱いを強め、食料自給力の向上に貢献します。日本近海の資源量が豊富な魚種を中心に利用を広げるとともに、未利用魚や廃棄される魚種の活用を進めます。
- 世界各国で持続可能な水産資源の開発・利用が進められています。日本および世界の漁業の現状と課題をわかりやすく伝え、水産資源についての知識と理解を広げます。
- おいしく、手軽で食べやすい、簡単便利な魚料理の商品開発に取り組み、魚の利用を広げます。
- 絶滅リスクが懸念されている魚種は、取引先と協働して原料までさかのぼり、生産・流通の各段階で資源・環境の保全に対し適切な対応がされていることを確認し、商品調達を行います。まぐろ・うなぎの資源増殖対策や完全養殖に向けた生産者・研究者との取り組みを進めます。
ニホンウナギは、国際自然保護連合(IUCN)および環境省が絶滅危惧種に指定しています。近年、年ごとの変動はありますが、ウナギの国内供給量や輸入量は減少傾向にあり、シラスウナギ（ウナギの稚魚）の採捕量も依然として低い水準のまま推移しています。
- 水産資源を取り巻く課題への意識や関心を高めるために、社会的に認知された認証を取得した商品の開発と利用に取り組みます。
■MSC（Marine Stewardship Council）
水産の資源を枯渇させないよう、持続可能で環境に配慮した漁業でとられた水産製品です。
■ASC（Aquaculture Stewardship Council）
環境と社会に配慮した責任ある養殖場で生産された水産製品です。
■アラスカのRFM（Responsible Fisheries Management）
アラスカの責任ある漁業管理のもと持続可能な漁業で漁獲された水産物です。
■BAP（Best Aquaculture Practices）
責任ある養殖管理の下で育てられた水産物です。
■MELジャパン(Marine Eco-Label Japan）
水産資源の継続的な利用を図るため、資源管理と生態系の保全に取り組む日本の生産者を認証しています。
- 持続可能な水産資源の利用と水産漁業を強め、日本の食文化を育むために水産資源の調達方針を策定しました。
5．アニマルウェルフェアの取り組みを進めます。
- アニマルウェルフェアとは、家畜を日々観察・記録し、良質な飼料や水を与えて丁寧に飼育することで、ストレスを減らし、家畜の健康を維持する取り組みです。
- アニマルウェルフェアに配慮した畜産物の取り扱いを進めます。
ふだんのくらしで当たり前のように食べている肉類は、牛・豚・鶏などの家畜（経済動物）です。牛乳・卵も牛や鶏が生み出してくれるものです。ふだんあまり意識しないことですが、生産過程を無視することはできません。家畜の飼育や輸送・と畜について、環境や飼料などに配慮し、なるべくストレスを減らせるよう、工夫する必要があります。
家畜の一生
※体重・月齢・日齢は、およその目安です
6．豊かな森と水の恵みを大切にする取り組みを応援します。
- 森林の減少はあらゆる環境問題とつながっています。森林は水の供給源であり、CO2の貯留庫でもあります。豊富な資源を持つ森林を未来につなげるために、国内および世界の森林保護・保全の取り組みを応援します。
- 販売または事業で使用する紙製品や木製製品・資材、木質バイオマス発電の原料等は、保全管理されている森林から原料となる木材を調達しているかどうか、確認等に努めます。
- FSC®（Forest Stewardship Council®）認証商品の開発と利用に取り組みます。
- RSPO（Roundtable on Sustainable Palm Oil）持続可能なパーム油のための円卓会議の基準に従って認証されたパーム油の利用を進めます。
責任ある森林管理をしている林業者を応援し、世界の森林保全貢献につながる木材製品です。
II．食品ロスの削減
もったいないを合言葉に、無駄をなくす取り組みをすすめます。
- 物流センターなどで発生する余剰品、賞味期限が間近になった商品は、「訳あり販売」やフードバンクへの寄贈で有効活用します。
- 食品残さの再利用（資料・肥料・エネルギー）を進めます。
- 台風など天候の被害を受けた野菜・果実や豊作による余剰品の販売を行います。
- 家庭での適量購入、食材の無駄のない利用などに役立つ情報を提供します。
- 日付けの新しいものから選ぶ消費者の行動も問題です。消費期限・賞味期限の意味について理解を進め、食品ロスを減らす行動を広げます。
賞味期間180日以上の商品について、1／2ルールで運用しています。納品期限を緩和することで、食品ロスの削減につなげています。
III．容器包装の使用量削減、再生可能資源の活用
1．3Rで容器包装の使用量削減を進めます。
- Reduce（リデュース） 使用量削減
商品の輸送・保管・販売のために使っているプラスチックを削減します。また、レジ袋の削減も進めます。 - Reuse（リユース） くり返し利用
洗剤などの詰め替えで容器を再使用します。 - Recycle（リサイクル） 再資源化・再生
牛乳パックやトレイなどを回収し、リサイクルします。回収プラスチックを再生して容器包装として活用します。
捨てれば‘ごみ’、分ければ‘資源’
2．Renewable（リニューアブル）再生可能資源の活用を進めます。
とうもろこしやサトウキビなどの植物からできる原料を使ったプラスチックの包材の開発を進めます。
石油資源の利用抑制につながるほか、焼却処分した場合に発生するCO2は植物の成長過程で吸収されたものなので、CO2が増えることにはなりません。植物由来原料の使用にあたっては、ライフサイクル全般における持続可能性に配慮されているものを使用します。
3．エコマーク商品の開発と品ぞろえを進めます。
生産から廃棄を通して環境負荷が少なく、環境保全に役立つと認められた商品です。
コープデリ連合会の水産方針・持続可能な調達方針
～持続可能な水産資源の利用と水産漁業者との連携を強め、日本の魚食文化を育みます～
2018年3月18日策定
1．水産資源の回復と環境保全、人権・労働問題に配慮し、持続可能な水産資源の開発と利用をすすめます。
- 原魚のトレースを強め、違法な取引・採取・漁獲を排除し、過剰漁獲や資源枯渇につながらない方法で行われた水産物を取り扱います。
- 「MSC認証」※1「ASC認証」※2などの持続性と環境に配慮した水産物の取り扱いをすすめます。また、主力取引先に「COC認証」※3の取得を要請します。
- 完全養殖まぐろをはじめ、完全養殖による環境への影響を最小限にとどめられるように配慮していきます。また、うなぎ資源増殖対策や完全養殖に向けて、生産者・研究者との取り組みをすすめます。
- ワシントン条約などの国際条約の順守、自然資源枯渇防止の観点で関係機関の規制措置等を順守します。まぐろの未成魚については、RFMO(地域漁業管理機関)、WCPFC(中西部太平洋まぐろ類委員会)、水産庁の規制措置を踏まえ、適切な調達を行っていきます。
- 漁獲や養殖、加工の現場で、人権侵害が行われていると第三者機関によって立証されているものは調達しません。
2．水産漁業者と顔の見える産直商品の開発をすすめ、日本の水産漁業を守ります。
- 日本近海での水産物の取り扱いを強め、とくに資源量が豊富な魚種を中心に調達し、水産物の自給力の向上に貢献します。また、近海で漁獲される未利用魚や廃棄される魚種の活用をすすめます。
- 水産漁業者・製造加工者と連携して、安全で新鮮な品質管理の行き届いた水産物を提供するフードチェーンを作ります。
- 水産資源の回復や資源管理に取り組んでいる水産漁業者との連携を強め、海の環境保全や地域振興にも貢献していきます。
- 産直水産物の生産者と生協組合員との産地見学・交流をすすめ、産地のファンを育成します。
3．日本の食文化を育む、食育活動に取り組みます。
- 日本の近海魚や旬の魚などの利用をすすめ、日本の魚食文化の伝統を伝えます。
- 水産漁業者との交流をすすめ、日本の水産漁業の実態を広く消費者に知らせ、魚食文化を広げます。
- 魚料理教室やレシピ作りをすすめ、魚を料理し、食べる機会を増やす活動をすすめます。
4．定期的な進捗管理とリスク評価を行います。
- トップが参加する会議で、課題の進捗管理を行います。
- また、同会議で定期的に、法令順守、資源保護状況、環境への影響と影響規模の状況を把握し、課題の優先順位や方針を決定します。
※1 MSC認証 「持続可能で適切に管理された漁業」
※2 ASC認証 「環境や社会に関し適切に管理されている養殖」
※3 COC認証 「MSC認証やASC認証製品を取り扱う加工業者や商社が取得認証」
コープデリ連合会のパーム油に関する持続可能な調達方針
～持続可能なパーム油の認知と普及を進めます～
2021年3月11日策定
- 自然と共生する持続可能な社会の実現に向け、森林の保護・泥炭地開発のゼロ化、人権の尊重・労働問題解決を目指す取り組みを支持します。
持続可能なパーム油（現時点では「RSPO認証」（※1）を受けたパーム油）への切替を奨励し、使用対象品目の拡大を進めます。 - CO・OP商品については、共同開発を行う日本生協連と連携し、RSPO認証（B&CまたはＭＢ方式による）パーム油使用100％を維持するとともに、新たな開発商品への利用拡大を進めます。（ＳＧ方式、ＩＰ方式による認証油の調達可能性についても日本生協連と共同で検討します。）
- 各国の法令や規制を遵守し、持続可能なパーム油生産および調達・加工に取り組んでいる国・事業者・団体との連携を強めます。
- コープデリ連合会が策定したパーム油に関する持続可能な調達方針をすべてのお取引先に周知します。
- 持続可能なパーム油生産のための問題改善に大きな効果があると言われている小規模農家の支援について、組合員も参加できる取り組みとして拡大していきます。
- 組合員・消費者から寄せられたご意見やお問い合わせに対応するとともに、ホームページや広報などを通じたコミュニケーションを大切にします。
- 定期的な進捗管理とリスク管理を行います。
※1 RSPO（Roundtable on Sustainable Palm Oil）認証：持続可能なパーム油のための円卓会議が定める認証のこと。RSPOでは認証基準の策定とステークホルダー（関係者）の参加を通じ、持続可能なパーム油の生産と利用を促進することをめざしている。また、認証には以下の4種類がある。
- Book & Claim (B&C)：認証油を証券化して取引きする。
- Mass Balance (MB)：製造過程で認証油と非認証油が混合されたもの。
- Segregated (SG)：最終製品製造者まで認証油と非認証油が分別管理されたもの。
- Identity Preserved (IP)： 単独の認証農園で生産され、最終製品製造者まで分別管理されたもの。
コープデリ連合会の森林資源（紙・パルプ・木材）に関する持続可能な調達方針
～森林認証プログラムや間伐材・再生紙使用商品の開発と取り扱いを進めます～
2021年3月11日策定
- 自然と共生する持続可能な社会の実現に向け、森林の保護・泥炭地開発のゼロ化、人権の尊重・労働問題に配慮した森林資源を利用し、商品開発や原料・資材の取り扱いを積極的に進めます。
- CO・OP商品については、共同開発を行う日本生協連と連携し、森林認証(現時点ではFSC（※1）)を得た原料・資材または再生原料パルプを使用した紙製品・紙製容器包装・段ボールの100％利用を目指して継続的に取り組みます。
- 各国の法令や規制を遵守し、森林資源の回復に取り組んでいる国・事業者・団体との連携を強めます。
- コープデリ連合会が策定した森林資源（紙・パルプ・木材）に関する持続可能な調達方針を、すべてのお取引先に周知します。
- 森林資源の管理、回復の取り組みを支援することを目的とした、コープデリ連合会役職員や生協組合員向けの学習会を通して取り組みを広く伝えます。
- 定期的な進捗管理とリスク評価を行います。
※1 FSC（Forest Stewardship Council）認証： 責任ある森林管理を行っている林業者を支援し、世界の森林保全貢献につながる木材製品である認証。
