直径4センチ前後と食べやすいサイズのささみフライは、
ジューシーな肉の食感とコクのあるチーズが相性抜群!
小さめでお弁当にもぴったりです。
揚げたてはもちろん、お弁当のおかずにも大人気の「CO・OP プチささみフライ(チーズ入り)」。冷凍でストックでき、少ない油で揚げ焼き調理できる点も好評です。
製造するのは、マルイ食品株式会社・しらぬい工場(熊本県水俣市)。「始まりは40年以上前、工場で働く女性従業員が考えたアイデアでした。試作品がおいしかったので、学校給食向けに販売。好評だったので生協向けの商品も作りましたが、それまでは大判サイズでした。食べやすさを考えて、2004年9月にプチサイズの本品を発売したのです」と開発担当の川中浩祐さんが説明します。
左から、マルイ食品株式会社 加工食品開発課 川中浩祐さん、工場長 橋口弘幸さん、加工MD企画課 麦生田賢二さん
売れ行きは好調でしたが、包丁でカットした肉に手作業でチーズを挟んでいたため厚みに差が出てしまうこと、ささみがやわらかくチーズを挟むのが難しいことなど、製造には課題がありました。
そこで5年ほど前、当時日本に数台しかなかった特殊な機械を導入。フライの厚みが均一になり、少ない油でも火が通りやすくなったことで、フライパン調理も可能になりました。
川中さんは「従来のやわらかさとしっとり感を出すのに苦労しました。何度も配合を変え、調味料や水分量を細かく調整しました」と振り返ります。チーズもさらにコクを出すため2種類から3種類に増やし、約1.3倍に増量。利便性とリッチ感の向上を実現させました。
プチささみフライは、昨年発売20周年を迎えたロングセラー。企画を担当する麦生田賢二さんは、「子どもの頃に食べていた人から『今は自分の子どもに食べさせています』と言っていただけるのは誇らしいですね。普段あまりお肉を食べないご高齢の方の『これだったら食べられます』という言葉もうれしいです」と話します。
「食味検査や作業終了後の機械洗浄はもちろん、作業者は1時間おきに手洗い・消毒を行っていますし、ささみの鮮度を保つため温度管理を徹底しています」と語るのは、工場長の橋口弘幸さん。「大量生産品ですが、お客様にとっては一つ一つが家族団らんの食事だったり、思い出に残るお弁当だったりします。従業員にはそのことを忘れず製造に当たるよう伝えています」と力を込めます。
皆さんの目標は、「今後も組合員の方々を裏切らないよう、品質を保っていくこと」。長年愛されるおいしさを維持しながらも、さらに良い商品にしようとする意志が伝わってきました。
おつまみやサンドイッチの具材としても楽しめるプチささみフライ。まずは揚げたてを、何もつけずに召し上がってみては?
若鶏のささみを、異物や骨などがないか1枚ずつ目視と手触りで確認し、食感を損なわないよう硬い筋膜を一つずつ包丁で取り除きます(写真A)。エックス線検査装置を通し、モニターに黒っぽく映る骨や異物があれば除去(B)。最初の目視検品で取り除くことが難しかった小さな骨なども除去できます。
自社製の丸鶏スープ、塩、しょうゆなどを混ぜ合わせ、調味液を作ります(写真C)。チーズの味を邪魔しないよう、味付けはシンプルかつ控えめに。ささみと調味液をよく混ぜ合わせ、調味液をまんべんなく染み込ませます(D)。
調味したささみを冷却し、特殊な機械でカット・成形します。この機械で、一枚肉のような食感を残しながらも重量のばらつきを大幅に減らすことが可能に。チェダー・ゴーダ・サムソーの3種類をブレンドしたプロセスチーズをスライスしてささみの上にのせ(写真E)、位置がずれているチーズを手で直し、ささみを上からかぶせます。
バッター液を付け、細目の生パン粉を薄付きになるようまぶします(写真F)。パン粉のまぶし具合や形状を目視で確認し(G)、トンネルフリーザーを通して凍結(H)。目視で検品し、金属探知機に通します。
自動計量包装機で所定の重量を満たすよう計量しながら賞味期限を印字した袋に詰め(写真I)、密封します。金属探知機と重量チェッカーを通して異常がないか確認。目視でも確認しながら箱に詰め(J)、冷凍庫で保管・出荷します。
【広報誌2025年4月号より】