桜の木のチップでのスモークが終わったウインナー。クリーンルーム内でウインナーを整えてカッターにセットし、1本ずつにカットする工程へ進みます
あらびき肉と細びき肉を合わせたジューシー感たっぷりのウインナー。無塩せきで肉本来のうま味を味わえます。冷めてもしっとりなめらかで、食卓のさまざまな場面で大活躍間違いなし!
「CO・OPポークウインナーブラウンマイスター」は、小さなお子さんからご年配の方まで召し上がっていただけるおいしいウインナーを作りたい! というコープの思いから、2001年7月に誕生した商品。無塩せきで、肉本来の味わいを楽しめ、使い勝手の良い1袋標準6本入り。発売から16年間、組合員の皆さんに愛され続けています。
製造する明治ケンコーハム株式会社の、静岡県にある三島工場を訪ねました。
当時開発を担当した横山裕郎(ゆうろう)さんは「完成までに約1年試作を繰り返しました。組合員の皆さんに、どのような味のものが求められているのか慎重に考え、細かい味や食感の調整にもとても時間をかけました」と完成当時を振り返ります。
「少し甘めのあっさりとした味付けで、肉のジューシーさを残しつつ、冷めてもしっとりなめらかで脂っぽくならないウインナーを作ることができました」と横山さん。
冷凍された原材料の肉が工場に届くと、電機メーカーと共同開発した静電場解凍装置で、肉に電気を帯電させ、肉の表面と内側を同時に解凍します。そのため、ドリップ(※1)が減り、短時間で解凍でき、うま味を逃しません。
次に、毛や皮・骨が残っていないかを丁寧に検品します。そして、ウインナーの食感を決める大切な工程、練りに移ります。
「一晩寝かせたジューシーなあらびき肉と、なめらかな細びき肉をバランス良く調合することで、歯ごたえがありなめらかで、冷めてもおいしいウインナーになります。肉が脂を包みこみ、溶け出さない混ぜ合わせ方で、冷めても脂っぽくならないんです。肉を細かく練る工程では、練りすぎると肉が柔らかくなりすぎ、練りが足りないとぼそっとした食感になるため、人の目で見て、手で感触を確かめながら作業をします」と開発技術課の野澤実恵(みえ)さん。
解凍前の原材料の肉
次に氷水(肉の温度を低く抑えるため)や香辛料・調味料を加えます。その後、同じ分量ずつ羊腸に詰め、桜の木のチップでスモークして完成。桜の木のチップは、やわらかい香りで肉本来の味を引き立て、肉に合います。
最後に加熱処理後のウインナーを扱うのは室温8度の寒いクリーンルーム(※2)です。皆、厚着をして作業しています。ここで1本1本にカット、形や色が悪いものを出荷しないための検品を経て包装します。できるだけ冷蔵庫の温度に近い低温の環境で包装前のウインナーを衛生的に管理し、保存料を使用しなくても一定の賞味期限を確保できるようにしています。一連の流れがスムーズにいくよう、生産管理担当の北尾和久さんが状況を把握しながら製造していきます。
羊腸(ケーシング)に詰める作業。練った肉を充填(じゅうてん)しながらひねっていきます
三島工場で働く皆さんのスローガンは「私たちはお客様目線のものづくりに徹します」です。
「これからも、組合員の皆さんが今どんなものをおいしいと感じているのか、声をきちんと聞き続け、意識しながらこのウインナーを作り続けていきたいですね」と横山さんは最後に語ってくださいました。
CO・OPポークウインナーブラウンマイスターを、食卓のさまざまな場面でぜひご利用ください。
CO・OPポークウインナーブラウンマイスターは無塩せきウインナーです。無塩せきとは、発色剤を使用せず、肉本来の味わいを生かしているのが特徴。発色剤は肉の色を鮮やかにするほか、風味を良くしたり、菌の増殖を抑える効果がありますが、このウインナーは無塩せきなので賞味期限も製造日から15日と短めです。
「組合員の皆さんの要望をかなえるため、この先もおいしいな、また食べたいなと思っていただける商品を作っていけるよう、時代に合ったウインナーの味をこれからも追求し続けたいです」
(野澤さん)
「いつ食べてもおいしい! と思っていただけるウインナーをこれからも届けられるよう、原材料(肉)の微妙な差を注意して、きめ細かい調整をしながら製造します」
(津川さん)
左から北尾和久さん(生産管理担当)、横山裕郎さん(発売当時の開発担当)、野澤実恵さん(開発担当)、津川武志さん(製造現場担当)
工場のある三島市は、富士水系と箱根水系の湧水が多い水の町。晴れた日には大きくそびえる富士山が目の前に見え、西には駿河湾が広がり、自然に恵まれています。
【広報誌2017年12月号より】